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與那覇潤の検索結果1 - 40 件 / 133件

  • 「最強の自分」になれないおれたちは、病んでいく

    「好きで働いているんだろ?」 精神科医である斎藤環の『家族の痕跡―いちばん最後に残るもの』を読んでいたら、このような記述にいき当たった。 このように考えてみてはどうか。すべての「職業人」は「好きこのんで仕事をしている」のだ、と。 これを言うのは、正直に言えば、なかなか辛い。厳しい疲労とストレスに耐えて、それでも真面目に働いている人々を、もちろん私は尊敬する。 しかし、その尊敬こそが危険なのだ。その種の尊敬は、そのような生活スタイルがどうしても取れない人たちに対する軽蔑を伴わずには成立しないからだ。 それゆえこの尊敬は小声で口にされるべきものだし、まして自らの多忙さを誇る(=愚痴る)ことは、あきらかに下品な振る舞いなのである。 これには前段があって、ネット(当時の2ちゃん)に書き込まれたコピペがあげられている。 そのコピペ(詩)は見つけられなかったが、「働いたら負け」のインターネット・ミーム

      「最強の自分」になれないおれたちは、病んでいく
    • 呉座勇一氏のNHK大河ドラマ降板を憂う - 與那覇潤|論座アーカイブ

      いま話題の芥川賞受賞作に倣えば、「学者、燃ゆ」だろうか。正直、驚くとともに、強い懸念を感じている。 『応仁の乱』などのベストセラーで知られる呉座勇一氏(日本中世史)が、SNSでの「炎上」がきっかけで、NHK大河ドラマの時代考証を外れることになった。発端は、フェミニストとしての批評活動でも知られる北村紗衣氏(英文学)との論争である。 炎上ならなにをしてもよいわけではない 当初は、日本中世史の大家である網野善彦(故人)の文章を「正しく読めるのはどちらか」という論点での、よくある学者どうしの諍いだった。しかし呉座氏が従来から、彼のTwitterアカウントのフォロワー(=おおむねファン)にしか見えない場所で、何度も北村氏を揶揄していた事実が明らかになり、「女性蔑視だ」との非難が殺到することになった。 呉座氏はその後、北村氏に対して非を認め、謝罪している。私自身、呉座氏の行為は褒められたことではなく

        呉座勇一氏のNHK大河ドラマ降板を憂う - 與那覇潤|論座アーカイブ
      • キラキラ・ダイバーシティの終焉:オープンレター「炎上」異聞

        IT・メディアRelaxing fire from turquoise aroma candle in water in darkness 昨年末の12月29日に連載を完結させて以来、私からは言及してこなかったオープンレター「女性差別的な文化を脱するために」(2021年4月4日付)が、今年に入って大炎上を起こしている。レターの内容と運用のどこに問題があるのかは、すでに同連載の中で端的にまとめておいたが、以下の新たな問題がその後、立て続けに発生/判明したからだ。 中心人物である北村紗衣氏(武蔵大学准教授)が、レターで名指しされる呉座勇一氏がレター批判者(與那覇を含む)と学術イベントで共演するのに際して、自由な発言を制約する弁護士書簡を送っていたこと(北村氏自身の主張はこちら)。 上記の経緯等について説明した呉座氏のはてなブログが、一部は北村氏の弁護士によるものと考えられる要請によって、凍結や

          キラキラ・ダイバーシティの終焉:オープンレター「炎上」異聞
        • 日本歴史学協会 - 歴史研究者による深刻なハラスメント行為を憂慮し、再発防止に向けて取り組みます(声明)

          日本歴史学協会では、長年にわたり若手研究者問題を議論する中で、「ハラスメントのない自由闊達で平等な歴史研究活動の実現に努めること」を目指し、2020年7月15日に「歴史学関係学会ハラスメント防止宣言」(以下、「ハラスメント防止宣言」)を発表しました。その後、多くの賛同が集まり、現在では25の学・協会がこの宣言に参加しています。 今般、日本中世史を専攻する男性研究者による、ソーシャルメディア(SNS)を通じた、女性をはじめ、あらゆる社会的弱者に対する、長年の性差別・ハラスメント行為が広く知られることとなりました。この行為は、「ハラスメント防止宣言」の趣旨と精神に大きく背くものです。歴史学系学会の連合組織として、日本歴史学協会は、この事態を深刻に受け止め、強い危機感をいだいています。 さらに、このハラスメント行為が、少なくない数の歴史研究者によって看過されてきたことも問題です。また歴史学界の一

          • 呉座勇一さんの訴訟と和解についての一私見

            1.呉座さんの訴訟と和解の概要およびその意味 すでに周知の事実ですが、さる2023年9月末、2021年3月に発覚した呉座勇一さんのネット上の差別的な数多の暴言をめぐる騒動と、そこから派生した訴訟について、続けざまに大きな進展というか結末が示されました。国際日本文化研究センターで内定していた准教授への昇任を撤回された呉座さんが、日文研の上位機関である人間文化研究機構に対し起こした地位確認の訴訟と、呉座さんの一件をめぐって出されたオープンレター「女性差別的な文化を脱するために」が、呉座さんの名誉を毀損したものであるという訴訟が、相次いで和解したのです。 その結果は、呉座さんは助教として日文研に復帰(再度准教授承認が内定しなおしたのかどうかは分かりません)し、名誉毀損訴訟は呉座さんの側が訴えを取り下げ、オープンレターが呉座さんの名誉を傷つけるものではないとの同意をして、和解したものでした。ただし

            • 與那覇潤氏の呉座勇一さんに関する記事への反駁(1)

              さる3月に、日本中世史の研究者として名高い呉座勇一さんが、ツイッターの鍵アカウントでさまざまな差別や誹謗中傷を行っていたことが明るみに出、問題となりました。この件では、単に呉座さん個人がひどい発言をしていたという問題ではなく、研究者を含む多数のアカウントが、いっしょに差別やハラスメントを、いわば「遊び」で行っていたことが重大視され、日本歴史学協会が声明を出し、また研究者有志がオープンレターを出すという事態になりました。差別や誹謗中傷がまかり通る学界では、とても今後の発展は望めませんし、実際に攻撃の被害を受けた人を救うためにも、必要なことであったと私は考えます。またこれらの声明やオープンレターに賛同された方がたの中には、過去にハラスメントの被害を受けられたという方もおられるようで、そういった方がたの危機感は一層深いものだったと思います。 しかし遺憾ながら、少なからぬ「ネット論客」や、それに同

              • 「岸田総理(宏池会エリート主義)」と「河野家的ヤクザ主義」の因縁の戦いは、日本国の方向を決める大きな分水嶺|倉本圭造

                (トップ画像は岸田文雄総裁選特設サイトより) ・ 自民党総裁選の結果、予想を大きく裏切る「決選投票前の段階で岸田氏が一位」の勢いのまま、「岸田文雄総理」が誕生することになりました。 私は8月31日に書いた記事↓ で、 もし岸田首相になったらその「変化」は、もしダークホースとして高市早苗さんが当選して初の女性首相が誕生するよりも、もっと大きな「変化」になるんじゃないか・・・と感じています。 …と書いていました。 とはいえこれは単にグダグダの頼りない何も決められない国になる危険性と隣合わせでもあるため、岸田総理になりゃそれでいいという話ではないわけですね。 単純に言えば、河野氏になるか、高市氏になるか、どちらにしても「わかりやすい」情勢ではあったわけです。 岸田氏になったらそういう「わかりやすい斬り方」はできなくなります。グダグダの何も決められない政治になる危険性だってある。 しかし、そういう

                  「岸田総理(宏池会エリート主義)」と「河野家的ヤクザ主義」の因縁の戦いは、日本国の方向を決める大きな分水嶺|倉本圭造
                • 「被害者ポジション」をめぐって、争っている人たちについて。

                  ちょっと前に温泉むすめというコンテンツを巡って喧々諤々の議論が勃発した。 出張先で「温泉むすめ」のパネルを見て、なんでこんなものを置いているの😩💢と思って調べたらひどい。スカートめくりキャラ、夜這いを期待、肉感がありセクシー、ワインを飲む中学生、「癒しの看護」キャラ、セクシーな「大人の女性」に憧れる中学生など。性差別で性搾取。https://t.co/vw3w00zAPu pic.twitter.com/jkWRsvQKCa — 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) November 15, 2021 この手のセクシャルな表現が組み込まれたものは定期的に炎上する。 それをもって告発する側は「日本社会は遅れている。いくら頑張っても全く進歩しない」という類の事をいうが、これについて「それは間違いだ」という興味深い指摘をする本がある。 セクハラ論争は壮大なループ

                    「被害者ポジション」をめぐって、争っている人たちについて。
                  • まず読みたい100冊

                    I. <まず読みたい図書> 1)全学生向きの図書 著作名 著者・編者名 *シリーズ名な ど 出版社 西暦発行年 現在書店で 入手が可能 か(○または ×) 筑波大学図書館 での所蔵の有無、 ある場合は配架番 号 *その他の情報 紹介コメント(80字以内) 三四郎 夏目漱石 岩波文庫 岩波書店 ◯ 081-I95-G10-6 漱石が明治時代の大学生を描いた名作です。自分と比べて見るのも一 興。 地獄変・偸盗 芥川龍之介 新潮文庫 新潮社 ◯ 無 各作品は図書館所蔵 の他の版で読むこと ができる。 何百もの小説を残した芥川。「羅生門」だけじゃ物足りない。 万葉集と日本人:読み継がれる 千二百年の歴史 小川靖彦 角川選書 KADOKAWA 2014 〇 911.12-O24 古典と呼ばれる作品が現代までどのように読み継がれてきたのか、そして それは書物(モノ)としてどのように伝えられてきたのか。

                    • 番組出演のご案内 - 呉座勇一のブログ

                      明日、ゲンロンカフェに出演します。 genron-cafe.jp「歴史修正と実証主義──日本史学のねじれを解体する」というタイトルで、與那覇潤氏・辻田真佐憲氏と鼎談します。現在、文庫版『日本国紀』が大ヒット中ですが、依然として事実誤認・極端な解釈が散見されます。しかし単行本が発売された3年前と比べても、歴史学界やマスコミの反応は鈍いと言わざるを得ません。歴史学界の実証主義が歴史修正主義の跋扈を止められないのはなぜか、過去に遡って検討し、打開策を論じます。 この「『日本国紀』という題名がいけない。不遜だ。『百田尚樹の~』ならよろしい」という、超上から目線かつ滑稽なイチャモンは、3年前の単行本の際に、呉座勇一サマから頂戴したもの、そっくりそのままです。 https://t.co/XZon6G7J2V — 有本 香 Kaori Arimoto (@arimoto_kaori) 2022年1月11

                        番組出演のご案内 - 呉座勇一のブログ
                      • 論点整理:呉座勇一氏と北村紗衣氏を巡る一連の論争――または、扇動者たちのオクラホマミキサー|青識亜論

                        呉座勇一氏は、門外漢の私でも知っているほどの、著名な日本中世史研究者だ。 メディア的には、井沢元彦氏や百田尚樹氏らを実証史学の立場から痛烈に批判したことで知られている。大河ドラマの時代考証にも関わっている人物だ。 そのような呉座氏が過去の発言で炎上していると知って、私はにわかには信じられず、togetterのまとめサイトを読んだ。 (※現在はtogetter記事自体は削除済) 率直に言って、開いた口がふさがらなかった。 同業者である北村紗衣氏に対する、粗雑な批判や中傷の数々がそこにはあった。 さえぼうの権利主張こそ「私はこんなすごい研究者なのに女だから正当に評価されていない!」というのが根底にあって、エリートとしての義務を果たそうとしているところを見たことがないぶっちゃけ、さえぼうは「自分は凄いのに(女性だから女性差別の日本社会では?)正当に評価されてない」と言いたいだけだよな。ポスドクが

                          論点整理:呉座勇一氏と北村紗衣氏を巡る一連の論争――または、扇動者たちのオクラホマミキサー|青識亜論
                        • これは正直わかるんだよね。 呉座さんの職位は助教で、日文研の体制はどう..

                          これは正直わかるんだよね。 呉座さんの職位は助教で、日文研の体制はどうなっているか知らないけど、英語のassistant professorにあたる地位だからテニュア(日本の場合は「定年までその組織にいられる権利」)を持ってない可能性が高いんだよね。 一方で北村さんは准教授。associate professorなので、多分テニュアだろう。 年下の女性准教授と年上の男性助教という構図、少なくとも「労働者としての安定性」という視点で見るなら力関係は北村>呉座になるという。男女差別とか年功序列とかの観点だと呉座>北村になるけど、テニュア持ってない研究者にとって一番大事なのってそこじゃないからなぁ。 だからこれ、「年下の女性研究者に対して男性研究者が」というフレームで処理されると絶妙に違和感あるんだよね。あれ? いつから助教の方が准教授より偉いことになってるんだっけ? っていう。 ブコメに応答そ

                            これは正直わかるんだよね。 呉座さんの職位は助教で、日文研の体制はどう..
                          • お子様学者たちのファミリーレストラン:オープンレター「再炎上」余禄

                            IT・メディアWhile the teacher is away several students are acting up in the classroom 2021年4月4日に公開され、数々の批判を受けた後に22年の同日にネット上から当初の文面が削除された「オープンレター 女性差別的な文化を脱するために」が、再度の炎上を起こしている。 私としては21年のうちに論じ尽くしたこのオープンレターについて、これ以上言及するつもりはなかったが、明白な「事実誤認」を拡散する人々が現われているので、一次資料を添えて実証的にその誤りを正しておく。 そもそも①同レターが公表される端緒となり、②自ら当初18名の呼びかけ人の1人に名を連ねたほか、③Twitter上で積極的に賛同の署名を募っていた北村紗衣氏(武蔵大学准教授)は、「レターが(文中で名指しされる)呉座勇一氏の解雇を求めているとする批判は、呉座氏

                              お子様学者たちのファミリーレストラン:オープンレター「再炎上」余禄
                            • 「言い逃げ」的なネット文化を脱するために:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える①

                              IT・メディアOffice Managers and Business People Commute to Work in the Morning or from Office on a Sunny Day on Foot. Pedestrians are Dressed Smartly. Successful People Holding Smartphones. Sunny Day in Downtown 世間的にはすっかり収まったと思われていた問題が、またインターネットを騒がせている。『応仁の乱』などのベストセラーで知られ、当世で屈指の著名な学者である呉座勇一氏(日本中世史)が、勤務先である国際日本文化研究センター(以下、日文研)で人事上の不当な処分を受けたとして、訴訟に踏み切ったからである(被告となるのは、日文研の上部組織にあたる人間文化研究機構)。 各所でまとめられているので、簡

                                「言い逃げ」的なネット文化を脱するために:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える①
                              • 書店における「道徳」と「倫理」~「本屋とヘイト本」問題をめぐって~|タサヤマ

                                非常に気が重いが、この本をご覧の展開をして販売している身として沈黙している訳にはいかず、私見を述べておきたい。 そもそも諸悪の根源は何か?ということを忘れてはいけないのではないか。 諸悪の根源とは差別であり、差別思想を撒き散らす者の存在である。 pic.twitter.com/6QrOIVQ0da — 日野剛広 (@Nanoruhino) December 10, 2019 おそらく、日野店長のコメントを全面的に否定されるような書店関係者はいないのではないかと思います。 もちろん完全に同書の意義を認めない人もいましたが、ほとんどの人は永江さんという著者のこれまでのお仕事に敬意をもっていて、そしてなにより「書店とヘイト本」の問題をシリアスに考えている。 (だからこそ、その期待に及ばなかったところに苦いコメントが出てくるのでしょう) 以下では、まず①同書についての批判的な指摘(全否定的な感想は

                                  書店における「道徳」と「倫理」~「本屋とヘイト本」問題をめぐって~|タサヤマ
                                • チャンネル「春木晶子のムーセイオン」の終了に関する経緯および誤った情報の修正|春木晶子

                                  お世話になっているみなさまへ、お知らせいたします。 2021年9月28日より、合同会社シラス(株式会社ゲンロンのグループ企業)が運営する放送プラットフォーム「シラス」にて、チャンネル「春木晶子のムーセイオン」を運営して参りましたが、この度、一年のテナント契約期間満了に伴い、本チャンネルが終了することとなりました。2022年9月27日24:00をもって、すべての動画が見られなくなります (*1)。 なお、わたしは終了に同意や承諾をしておりません。 「シラス」でチャンネルを開設・運営するために結ばれるテナント契約は、一年契約ではありますが、これまで契約が更新されなかったチャンネルはありません。一年で終了となるのは本チャンネルが初めてとなり、異例の措置と言えます。しかし、シラス社から終了の理由や経緯などは発表されていません。またわたしも、この件に関してこれまで一切言及してきませんでした。 チャン

                                    チャンネル「春木晶子のムーセイオン」の終了に関する経緯および誤った情報の修正|春木晶子
                                  • 再上映中の『もののけ姫』を「日本史と中国史」で読み解く(與那覇 潤) @gendai_biz

                                    中世に託して現代を描く 6月末から、スタジオジブリの旧作の「劇場での再上映」が始まりました。公式なアナウンスには入っていませんが、おそらくはコロナ禍で最大の損害を被った業種である映画館に足を運ぶ体験を、もういちど広く知ってほしいという趣旨もあるのではと思います。 どの作品も懐かしいですが、とりわけこのタイミングで『もののけ姫』が久しぶりにスクリーンに映ることは、私にとってひとしおの感慨をそそります。 解説は不要かもしれませんが、『もののけ姫』は1997年公開。宮崎駿監督の「引退作」だとPRされたこともあって、爆発的なヒットとなり、日本映画の興収記録を更新。しかし引退宣言は後に撤回され、以降も新作ごとに「今度こそ最後」と報じられては覆る、いわば宮崎監督が「いつまでも引退できない時代」が今日まで続いています。 もっとも、私がこの作品をとりわけ懐かしく思うのは、また別の個人的な事情によるものです

                                      再上映中の『もののけ姫』を「日本史と中国史」で読み解く(與那覇 潤) @gendai_biz
                                    • 與那覇 潤 様

                                      第一に、インターネット上で行われる(日本語による)コミュニケーションについての私の理解です。筒井(2020)は、理屈と議論について、 理屈による否定・非難は、続けようと思えばいくらでも続けることができます。決着がつかないはずの議論になんとなくの終わりがあるとすれば、特定の意見が多数派になった場合、権力・権威を持っている人が特定の意見を支持した場合、そして特定の理屈を並べ立てる人に時間的な余裕があって、ずっと反論し続けることができる場合でしょう。ネット上での議論にはこのような状況がたくさんあります。たとえば、ずっとネット端末にかじりついていられる「暇な人」や、口調が強くて権威的に話す人が勝つことが多いのです。

                                      • 嶋理人さんへの警鐘:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える③

                                        IT・メディアBeautiful storm clouds on a summer night with pinks and blues. 11月3~4日のアゴラへの寄稿に対して(その①、その②)、8日に歴史学者の嶋理人さんから「反駁」をいただきました。むろんまっとうな批判であれば歓迎ですが、拙稿に対し「自分だけが正しいかのように思いあがった、酷いもの」・「呉座さんにとっても良くない」・「歴史学そのものへの冒涜」といったレッテルを貼り、さらには上記のアゴラ寄稿以外の、私の言論活動全般にまで「典型的な「トンデモ」」・「もう帰還不能点を越えている」といった罵声を浴びせる内容になっています(上記のカギカッコ内は、すべて原文ママ)。 ワンパラグラフだけ引用すると、たとえばこのような調子です。 「このように與那覇氏の論は、実証が全くなっておらず、断片的情報の無理やりな解釈から、呉座さんを擁護して歴史

                                          嶋理人さんへの警鐘:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える③
                                        • Qui a écrit le document ? - 怪文書『女性差別的な文化を脱するために』の中の人|Spica

                                          オープンレター『女性差別的な文化を脱するために』は怪文書です。呉座勇一先生のアカデミアからの追放を求める内容であるか否か?等の文面解釈の議論以前に形式的に決まることです。執筆者が不明なのです。 ひょっとしたらオープンレターというものの性質かもしれません。一揆の傘連判状のように、誰が先導者(言い出しっぺ)か不明にする方法なのかもしれません。それこそ言い逃げを狙ったものなのか?個人的には怖くて手を出せません。 一般論としてオープンレターというものは執筆者が明らかにされないものなの?あるいは発起人が共同執筆者という建前?個人的には誰が書いたか分からない文章に同意を示すという行為が内容問わず当事者目線だったら怖くてできないし傍観者目線だったら不気味なのだが。 — Spica (@Kelangdbn) November 29, 2021 であれば,その良し悪しは別として「オープンレター」一般が怪文書

                                            Qui a écrit le document ? - 怪文書『女性差別的な文化を脱するために』の中の人|Spica
                                          • 「言い逃げ」的なネット文化を脱するために:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える②

                                            IT・メディアCrowd walking down on sidewalk, concept of pedestrians, crime, society, city life そもそも呉座勇一氏の鍵付きアカウント(=彼が許可していない人には非公開)での発言内容が、最初に流出して問題になったのは2021年3月17日のことである。この日、呉座氏のアカウントのフォロワーではなかった英文学者の北村紗衣氏が、彼女を批判した呉座氏の発言(の写真)をなんらかの形で入手し、公開した(呉座氏の行為に批判的なまとめを参照されたい)。 (①はこちら) これだけならよくあるネット上の諍いだったが、その後、呉座氏が以前から(正確には1年半ほど前と見られる)アカウントのフォロワーたちとのあいだで北村氏を揶揄していたことが判明する。そうした発言(の写真)についても入手した北村氏が公開し、強く非難したことが契機となって

                                              「言い逃げ」的なネット文化を脱するために:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える②
                                            • 竹中平蔵と習近平の「共鳴」@梶谷懐 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

                                              中国経済の梶谷懐さんが、現代ビジネスに「竹中平蔵氏と中国・習近平政権、提唱する「経済政策」がこんなに似てきている」というエッセイを寄稿しています。これが大変面白い。 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76094 あの竹中平蔵氏が、中国で大いに人気を集めているらしい。中国の人々はいったい竹中氏の何に惹かれ、彼から何を得ようとしているのか。神戸大学・梶谷懐教授による全3回のレポート。最終回となる今回は、竹中氏が提唱する経済政策と、習近平政権が目指す経済体制(「シーノミクス」と呼ばれる)に見られる類似、そして、日中で共振する「新自由主義」の動きについて解説する。 まあ、今の中国社会を、共産党一党独裁による徹底した新自由主義と考えるのは、割とポピュラーな見方だとは思いますが、そこにここ二十数年にわたって陰に陽に日本の政策決定に関わり続けてきた竹中平蔵という補

                                                竹中平蔵と習近平の「共鳴」@梶谷懐 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
                                              • オープンレターを書いたのは「誰」なのか:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑨

                                                IT・メディアMagnifying glass on books with background of bookshelf 本連載のなかでも11月27日朝に公開した前回(第8回)はとみに反響が大きく、4月4日に出された呉座勇一氏(国際日本文化研究センター。以下、日文研)の炎上をめぐるオープンレターについて、その当否を問う論争が再び盛んになったようだ。もっとも議論の質には高低があり、たとえばレターの呼びかけ人であった津田大介氏は同日夕のツイートでこう述べている。 拙稿のタイトルは「オープンレターがリンチになった日」なので、津田氏のいう「「リンチ」とか雑に言うような認識の人」とは私を指す(少なくとも含む)ように思うが、それなら堂々とリンクを張って是非の判断を読者に委ねてはどうだろうか。対立する相手の文章はフォロワーに読ませず、「あいつは無視していい人間だ」(大意)とのレッテルを貼って存在自体を

                                                  オープンレターを書いたのは「誰」なのか:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑨
                                                • ノート:北村紗衣 - Wikipedia

                                                  出典検索?: "北村紗衣" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · ジャパンサーチ · dlib.jp · ウィキペディア図書館 出典検索?: "さえぼー" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · ジャパンサーチ · dlib.jp · ウィキペディア図書館 出典検索?: "さえぼう" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · ジャパンサーチ · dlib.jp · ウィキペディア図書館 出典検索?: "saebou" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · ジャパンサーチ · dlib.jp · ウィキペディア図書館 出典検索?: "オープンレター" – ニュース · 書籍 · スカラー ·

                                                  • 與那覇潤氏の呉座勇一さんに関する記事への反駁(2)

                                                    本記事は「與那覇潤氏の呉座勇一さんに関する記事への反駁(1)」の続篇です。 前記事から間が空いてしまいましたが、いろいろな仕事や出張などもあり、まとまった時間が取れませんでした。お待ちくださった方がたには申し訳ありません。 さて、呉座勇一さんのツイッター上でのさまざまな差別や誹謗中傷の問題に対し、與那覇潤氏が記した一連の記事には、はなはだ問題があり看過できない、というのが私の立場です。それは事実の誤認ないし歪曲によって被害者を加害者と入れ替え、見当違いな非難を明後日の方向にぶつけているようにしか思えません。與那覇氏が3月に発表した記事「呉座勇一氏のNHK大河ドラマ降板を憂う 「実証史学ブーム」滅亡の意味」(以後これを「與那覇1」と略します)からして、呉座さんがツイッター上でやってしまったことを直視せず、実証が欠けていると歴史学界を非難しておきながら、ちっとも実証的でないことは前稿で明らかに

                                                    • 北村紗衣氏の「指摘」に応える:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑥

                                                      IT・メディアThis photo illustration of a deep blue moonlit ocean at night with calm waves would make a great travel background for any coastal region or vacation, emphasizing the beauty of the night time ocean or sea. とくに英文学に詳しくなくとも知る人の多い、「吠えなかった犬」というシャーロック・ホームズの挿話がある(白銀号事件)。番犬が不審者を見かけて吠えたことではなく、むしろ問題の夜には吠えなかったことを手がかりとして、探偵が事件の真相を見抜く話だ。 前回(連載第5回)の内容に対して、「さえぼう先生」こと北村紗衣氏から連続して10ツイートを超える反論が寄せられた(このツイートからの

                                                        北村紗衣氏の「指摘」に応える:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑥
                                                      • 歴史学者はいかに過去を捏造するのか:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑩

                                                        IT・メディアconcept you are not you how others see you how you see yourself 私はポストドクターを入れると大学院に5年半在籍し、続けて地方公立大学の准教授として7年半教鞭をとったので、通算すれば13年間は「歴史学者」として仕事をしたことになる。その最中から歴史学の教育にまつわる営みが、ひとつ間違えば危険なものにも転じうる可能性をずっと感じていた。 たとえば一般の読者が本選びのヒントにするのは、帯や惹句、あとがきや解説だと思うが、歴史学者は手にとった書籍のうち、最初に「注」を見る癖を持つ人が多い。主張の典拠として一次史料を引用した場合、(専門書では)出典表示のために必ず注をつけるので、まずはざっと注だけを一覧すれば、その本がどの程度「オリジナルな研究か」をつかめるからだ。 しかしこれを悪用すると、中身もないのにとにかく注ばかりを

                                                          歴史学者はいかに過去を捏造するのか:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑩
                                                        • 「コミュ力」が高い人は「共感力」が低い? | 斎藤環×與那覇潤『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋』刊行記念特別企画 | 斎藤環 , 與那覇潤 | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社

                                                          著者: 斎藤環 , 與那覇潤 精神科医・斎藤環さんと歴史学者・與那覇潤さんの対談本『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋 』(新潮選書、5月27日発売)の特別企画として、前々回 、前回とコミュニケーションにおける「共感」の問題について考えてきました。今回はさらに驚くべき「共感」の裏側が……!? 同書の中から、一部を再編集してご紹介いたします。 双極性障害にともなう重度の「うつ」をくぐり抜けた歴史学者・與那覇潤さん(左)と、「ひきこもり」を専門とする精神科医・斎藤環さん(右)。 「発達障害バブル」を考える 與那覇 「時代を象徴する病」であるかのように、この十年間で一気に注目度が上がったメンタルの病気は発達障害ですね。「アスペ」(アスペルガー症候群)のような略称がネットで広まり、2017年には岩波明さん(精神科医)の『発達障害』がベストセラーになりました。むしろ有名になりすぎて、なんで

                                                            「コミュ力」が高い人は「共感力」が低い? | 斎藤環×與那覇潤『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋』刊行記念特別企画 | 斎藤環 , 與那覇潤 | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社
                                                          • コロナ禍と自粛の100日間は「昭和史の失敗」の再演だった(與那覇 潤) @gendai_biz

                                                            「欧米コンプレックス」が混乱の発端 「コロナうつ」の発生を懸念する記事が目立つこのごろだが、重度のうつの体験がある私も実際に具合が悪い。もっともこの異常な状況下で元気がよいのは、メディアをジャックする「貴重な機会」を掴んだ一部の(自称を含む)専門家くらいのもので、仮に緊急事態宣言が解除されたところで、自粛要請が生み出した沈鬱な世相は容易に元へは戻らない。 コロナウィルスによる日本での死者自体は欧米に比べて圧倒的に少なく、一般人に求められる予防法が通常の感染症(たとえばインフルエンザ)と大差ないこともわかってきた。それでもメディアが「未曽有の危機」として報道を煽り、あれこれの対策リストを列挙するのは、むしろ国民を「躁的」な状態へ誘導してうつを緩和するためなのかとさえ、感じることがある。 かつてない初めての困難に立ち向かう経験は、人の心を奮い立たせるものがあるし、何より対応に失敗しても、そこま

                                                              コロナ禍と自粛の100日間は「昭和史の失敗」の再演だった(與那覇 潤) @gendai_biz
                                                            • 「北村紗衣・山内雁琳」訴訟の地裁判決を正しく読む|Yonaha Jun

                                                              4月17日に出た、北村紗衣氏が雁琳(山内雁琳)氏を訴えた民事訴訟の東京地裁判決が、ここ数日ネットを騒がせている。 元はよくある「ネットの書き込みによる名誉毀損」の争いだったものが、ここまで大きな反響を呼ぶ理由については、すでにまとめている方も多いので、新たに付言するには及ばないだろう。 だが、後に具体例を示すとおり、同判決に便乗して私を中傷する「学者」が複数現れているので、手短にコメントしておく。 当該の判決は、北村氏(原告)の側の弁護士事務所のホームページに、PDFで全文が掲載されている。あたりまえだがこうした場合、発言したければまず判決それ自体(一次資料)に目を通すのが、「学者」たるものの責任だ。 PDFの54頁から「別紙2」としてまとめられている通り、名誉毀損に当たるか否かが争われた雁琳氏(被告)のツイートは、11個である。これも当然のことだが、被告の発言歴の中からこの11個を選んで

                                                                「北村紗衣・山内雁琳」訴訟の地裁判決を正しく読む|Yonaha Jun
                                                              • オープンレターがリンチになった日:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑧

                                                                できれば避けたいと思ってきたが、連載第2回で予告したとおり、呉座勇一氏の問題に関して発表されたオープンレターについて、その裏面を物語る資料を公開する。第3回で与えた警告に反して、嶋理人氏(日本史学。熊本学園大学講師)が11月23日夜に、私を中傷する2本目の記事を発表したためである。 当然のことだが、私と同様に、嶋氏にも言論の自由がある。しかし同氏は、それを適切な形で行使していると呼べるであろうか。彼が同日に発した、以下のツイートをご覧いただきたい。 呆れたのはこちらである。そもそも本連載の3~4回目は嶋氏の(1本目の)中傷記事に応答したものであり、5~7回目はそれらの拙稿に言及した辻田真佐憲氏を北村紗衣氏が批判されたことに対して、当方が駁論したものだ。計5回分の連載が書かれる直接ないし間接の原因を作った当事者である嶋氏が、他人事のように「7回も連載している與那覇には呆れる」(大意)とは、ど

                                                                  オープンレターがリンチになった日:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑧
                                                                • コロナ以後の世界に向けて「役に立たない歴史」を封鎖しよう(與那覇 潤) @gendai_biz

                                                                  前月の記憶も忘れる社会 目下のコロナ騒動が前例のないものではなく、歴史家の眼で見ればかつて起きた国家的な失敗の反復に過ぎないことを、前編では論じた。しかし私はいま、そうした「歴史」というものの無力さを痛感している。 短くとも数十年、長くて一千年単位の「時間の幅」を意識せずしては、歴史は書けない。この前提にはおそらく、多くの人が同意してくれるだろう。しかし人びとの記憶はいまや、1年間はおろか、1か月も続かないのが現状だと思う。 思い出してほしい。安倍晋三首相が全国の小中高校に、春休みまでの臨時休校を要請したのは2月27日。このとき識者や世論の反応は「唐突すぎる。現場の混乱や共働き家庭の育児など、副作用が大きく乱暴だ」というものだった。 ところが1か月経った3月末から4月頭にかけては、逆に「なぜ政府は緊急事態宣言を出さないのか」との憤懣が急激に高まり、煽られるように4月7日に安倍氏が緊急事態を

                                                                    コロナ以後の世界に向けて「役に立たない歴史」を封鎖しよう(與那覇 潤) @gendai_biz
                                                                  • 自粛とステイホームがもはや「正義」ではないこれだけの理由(與那覇 潤) @gendai_biz

                                                                    なぜ飲食店ばかりが標的になるのか 昨年末から15時開店になっていた都内のバーで、この原稿を直している。客は私だけ。どう考えても「密」にはほど遠く、誰からも不謹慎と言われる覚えはない。 菅義偉・現首相のモットーが「自分でできることはまず、自分でやってみる」(『政治家の覚悟』 後記)だということは、広く知られている。しかし彼の政権には、私がふだん世話になるお店を助ける気がないらしい。だから文字どおり、「自分でできることをまず、自分でやりに」来たわけだ。 1月8日から首都圏(1都3県)では再度、日本政府による新型コロナ対策のための緊急事態宣言が適用されている。しかし2020年4~5月の「最初の緊急事態宣言」と比べても、これはおかしなことばかりだ。 昨春のコロナ第一波の際、東京都が記録した1日の感染者数のピークは256人である(4月9日)。一方で、同年12月31日には1337人の感染者が確認され、

                                                                      自粛とステイホームがもはや「正義」ではないこれだけの理由(與那覇 潤) @gendai_biz
                                                                    • 北村紗衣氏の「事実誤認」についての疑問:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑤

                                                                      IT・メディアsearch concept. black on black. magnifier on dark background. view from above. copy space for design. 呉座勇一氏の炎上と訴訟が提起した問題について考察を続けていると、與那覇の記事は「事実誤認」をしているといったクレームを稀に目にする。もちろん批判は歓迎だから、拙稿のどの部分が事実に反しており、正しくは何が事実なのか、妥当な論証とともにご指摘いただければ訂正するが、「事実誤認だ!」と叫ばれるだけでは対応のしようがない。 無責任な匿名の有象無象は黙殺すれば済むが、呉座氏による中傷の告発者として著名な「さえぼう先生」こと北村紗衣氏(英文学者。武蔵大学准教授)となるとそうもいかないだろう。たとえば先日、拙稿(連載その②)に言及した辻田真佐憲氏に対して、彼女はこうしたリプライを寄せてい

                                                                        北村紗衣氏の「事実誤認」についての疑問:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑤
                                                                      • 與那覇潤氏の「警鐘」への感想とお詫び

                                                                        私が「(1)」を発表したのは11月8日でしたが、早くも10日には與那覇潤氏がその記事に対する反論として「嶋理人さんへの警鐘:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える③」(以下「與那覇4」と略します)なる記事を発表し、さらに私がさまざまな所用で先の記事の続きを書かずにいる間の15日には「専門家を名乗る学者が起こす「専門禍」:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える④」(以下「與那覇5」と略します)を発表していました。さらにようやく私が23日に「(2)」を公開したところ、それに対して27日に與那覇氏が「オープンレターがリンチになった日:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える⑧」(以下「與那覇6」と略します)を矢継早に発表されています。 私はこの間、「與那覇4~6」については発表から数日後には存在を知って読んではいましたが、所用も重なっていましたし、直接の反論は控えてきました。その間書いていた

                                                                        • 専門家の本音は「コロナ万歳」だった? SNSの「いいね」に嬉しそうな人々(古市憲寿)(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース

                                                                          人が立場から自由になることは難しい。どれほど客観的かつ冷静であることを装った意見にも、立場というものは透けてしまう。 わかりやすい例は、この2年間の新型コロナウイルスに対する態度だ。たとえば感染拡大当初から、コロナとの共存を訴えてきた知識人には大学に所属していない人が多かった。東浩紀さん、三浦瑠麗さん、與那覇潤さんといった具合だ。 一方で大学から給与をもらう教員からは、例外はあるものの、総じて「緊急事態宣言を出せ、社会を止めろ」という意見が聞こえてきた。彼らは理屈を並べて、いかにコロナが危険かを説いた。だが心の底に「緊急事態宣言を出してもらえば講義がリモートになる。その方が楽でいい」という気持ちはなかったか。 もちろん大学教員だけではない。多くのサラリーマンにとって、「給料はそのまま。出社せずに家で仕事ができる」という勤務形態は魅力的だ。通勤ラッシュにも遭わず、部屋着のまま、嫌な上司の視線

                                                                            専門家の本音は「コロナ万歳」だった? SNSの「いいね」に嬉しそうな人々(古市憲寿)(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
                                                                          • 酒井泰斗プロデュース「調べ・考え・書き・伝え・集まるための書棚散策」ブックフェア - 『在野研究ビギナーズ』刊行記念(2019.12-)

                                                                            2019.12.27『在野研究ビギナーズ』が 第38回「雑学出版賞」を受賞しました。1958年発足の雑学倶楽部の主催による歴史ある賞です。 2019.12.26『在野研究ビギナーズ』が「紀伊國屋じんぶん大賞2020 読者と選ぶ人文書ベスト30」を受賞しました(第三位)。 投票していただいた皆さん、ありがとうございました。 このページは、論集 『在野研究ビギナーズ』 の刊行を記念して開催するブックフェア 「調べ・考え・書き・伝え・集まるための書棚散策」 をご紹介するために、WEBサイト socio-logic.jp の中に開設するものです。 本ブックフェアは、2019年から2020年にかけて、明石書店の協力を得て、紀伊國屋書店、くまざわ書店、ジュンク堂書店 をはじめとする全国の書店にて開催されました。 フェア開催中、店舗では 選書者たちによる解説を掲載した36頁のパンフレットを配布しましたが

                                                                              酒井泰斗プロデュース「調べ・考え・書き・伝え・集まるための書棚散策」ブックフェア - 『在野研究ビギナーズ』刊行記念(2019.12-)
                                                                            • 「なぜいま、「幕府」を問うのか?」 〔後編〕 東島 誠|本がひらく

                                                                              前回に引き続いて歴史書ブームを分析しながら、過去に3度、20年ごとに中世史がブームになってきたことの意味を考えます。 ※本記事は、NHK出版より刊行予定のNHKブックス、東島誠『「幕府」とは何か』から、「はじめに」と序章「いま、なぜ中世史ブームなのか、そして、なぜあえて幕府論なのか?」を先出しでお届けするものです。 室町幕府ブーム? 大政奉還百五十周年、明治維新百五十周年の記念行事の一方で、いまふたたび中世史ブームだという。それも、よりによって室町幕府が熱い。呉座勇一『応仁の乱』を機として、いわゆる室町本が飛ぶように売れているとのことだが、ただ、なぜこれだけのブームを呼んでいるのかについて、説得力のある説明を目にすることは、いまだない。呉座自ら譬えるように、応仁の乱と第一次世界大戦に類似点がもし本当にあるのだとしても、大戦の引き金となるサラエヴォ事件から百年に一つ余る年に安保関連法を通過さ

                                                                                「なぜいま、「幕府」を問うのか?」 〔後編〕 東島 誠|本がひらく
                                                                              • 呉座勇一×辻田真佐憲×與那覇潤「歴史修正と実証主義――日本史学のねじれを解体する」 @reichsneet #ゲンロン220114 ゲンロン完全中継チャンネル | シラス

                                                                                無料ダイジェスト動画はこちらからご覧いただけます。 https://youtu.be/e3M0aefyWbQ ■ 【イベント概要】 ゲンロンカフェでは2021年7月、歴史学者の與那覇潤氏と近現代史研究者の辻田真佐憲氏を招き、東浩紀が聞き手となって「物語と実証の対立を超えて」と題したイベントを開催しました。 SNSやネットでは、過去の経緯を無視し、「いまここ」の正しさだけを意識した応酬が繰り返されています。そこでは右派も左派も実証(エビデンス)を振りかざしますが、いっこうに新しい物語は立ち上がってきません。そんな不毛な状況を乗り越えるためには、「新しい歴史教科書をつくる会」が生まれ、歴史修正主義と実証主義が同時に流行し、過去への視線が大きく変わった1990年代まで遡り、歴史学の語り全体を振り返る必要があるのではないか。そのような問題提起でイベントは終わりました。 このたびゲンロンカフェでは、

                                                                                  呉座勇一×辻田真佐憲×與那覇潤「歴史修正と実証主義――日本史学のねじれを解体する」 @reichsneet #ゲンロン220114 ゲンロン完全中継チャンネル | シラス
                                                                                • 在野研究ビギナーズ - 株式会社 明石書店

                                                                                  「在野研究者」とは、大学に属さない、民間の研究者のことだ。 卒業後も退職後も、いつだって学問はできる! 現役で活躍するさまざまな在野研究者たちによる研究方法・生活を紹介する、実践的実例集。 本書は、読者が使える技法を自分用にチューンナップするための材料だ。 【書評・紹介記事】 2020年08月11日 毎日新聞 東京夕刊 読書日記(上田紀行 氏) 2020年08月09日 在野研究者に聞いてみた! 『在野研究ビギナーズ』×「在野に学問あり」(B面の岩波新書)コラボ企画(「新書よりも論文を読め」番外編)→youtube動画(前半・後半・おまけ) 2020年05月02日 朝日新聞「売れてる本」(阿部嘉昭 氏) 2020年03月23日 あたらしい「学び」について考える 紀伊國屋書店員さんのおすすめ 2020年03月08日 信濃毎日新聞(内田麻理香 氏) 2020年03月03日 『綴葉』2020年3月

                                                                                    在野研究ビギナーズ - 株式会社 明石書店