幕末にコレラの流行を予言した不思議な生き物「ヨゲンノトリ」がいる――。山梨県立博物館(山梨県笛吹市)がその存在をツイッターで紹介したところ、100件超の商品のラベルやロゴに絵が使われるなど人気となっている。シンプルな絵柄でイラスト化しやすく、商品の売れ行きも好調だ。新型コロナウイルスの感染拡大で消費が落ち込む中、思わぬ福を呼んでいる。 ヨゲンノトリは、市川(いちがわ)村(現山梨市)の名主、喜左衛門(きざえもん)が1858(安政5)年に記した「暴瀉病流行日記(ぼうしゃびょうりゅうこうにっき)」に登場する。日記によると、この年の夏、コレラで多くの人が亡くなった。ヨゲンノトリは白と黒の二つの頭があるカラスのような姿で描かれ、喜左衛門が聞いた話として「図のような鳥が、去年の12月に加賀国(現在の石川県)に現れて言うことには、『来年の8…