退職金ゼロにする奇策が全国自治体で横行 非正規公務員5.8万人、勤務が毎日15分短いだけで「パート扱い」 非正規の地方公務員には退職金を払いたくない? 全国の自治体でそんな観測が浮上している。退職金の受給資格があるフルタイム非正規より1日約15分だけ勤務時間が短いため、受給できない「パート」が約5万8000人いることが国の調査で判明したからだ。専門家は「自治体が恣意的に勤務時間を短くしているのではないか」とみている。(渥美龍太、畑間香織)
東京都江戸川区の学童保育(放課後児童クラブ)で働く職員から本紙「ニュースあなた発」に届いた声を受け、朝の開所準備がサービス出勤状態になっている実態を紹介した記事(7月31日朝刊1面)には多くの反響があった。教員や看護師などからも同様の体験談が寄せられ、「職員の善意をあてにしないで」との要望もあった。労働問題に詳しい弁護士は「使用者は現場の声を聞くべきだ」と説く。(小形佳奈) 「まさに現在、私がやっていること」。複数の学童保育で働いてきた栃木県の男性は「勤務開始20分前には出勤して清掃、書類整備、電話番をしている」という。別の職員は、保護者が子どもを早くに連れてくるため「開所20分前には出勤しなければならない」と吐露。朝のサービス出勤を強いられているという。
世界で最も身体拘束が行われている日本の精神科病院。厚生労働省では現在、拘束要件の見直しが不透明なまま進むが、精神科病院を束ねるドン・日本精神科病院協会(日精協)の山崎学会長(82)はどうとらえているのか。「こちら特報部」の単独インタビューに応じた山崎氏の言葉を詳報する。(木原育子) やまざき・まなぶ 2010年から日本精神科病院協会会長。22年5月の厚労省の私的検討会に突如、参考人として出席し、議論の風向きを変えるなど影響力が大きい。18年には協会の機関誌に「(患者への対応のため)精神科医にも拳銃を持たせてくれ」という部下の医師の発言を引用し、物議を醸した。安倍晋三元首相と親しかったことでも知られる。日本大医学部卒。
東京都営地下鉄4路線106駅のうち59駅の駅業務が都から外部委託されており、労働者派遣法が禁じる「偽装請負」を招かないか、という懸念が持たれている。法律上、業務委託元は、委託先の労働者に直接指示はできないが、これらの駅では都職員の駅長のもとで委託先の社員である駅員が働いている。都側は「駅長が行うのは指示でなく情報伝達」と説明するが、現場の駅員からは「実態とそぐわない」という声が上がる。(三宅千智) 偽装請負 実質的には労働者派遣なのに、委託契約に見せかける違法行為。通常の委託では、委託された会社の労働者がその会社の指揮命令下で働くが、偽装請負では委託元の指示に従う。事故や問題が起きた際、労働者に対する責任の所在があいまいになるため、労働者派遣法や職業安定法が禁じている。
グーグルマップで遊んでいたら、北太平洋にぽつんと浮かぶミッドウェー諸島に、明治時代の「櫻井又五郎」という名の墓を見つけた。 墓の存在に気づいたのは2020年9月。新型コロナウイルス「第2波」で自粛ムードが漂う中、せめて旅行気分だけでも、と(グーグルマップで)太平洋の島々を巡っていた時だった。 深夜にスマホの中の墓を見つめながら、素朴な疑問が浮かんだ。100年以上も昔、櫻井さんはなぜこんなところに? こつこつと調査を重ね、結論には至っていないが、ひとまず経過をまとめてみたい。何か情報をお持ちの方は、ぜひお寄せください。(デジタル編集部・谷岡聖史) ミッドウェー諸島(環礁) ホノルルから約2000キロ北西、東京都心から約4100キロ東南東にあり、主に大小2島からなる。世界複合遺産でもある北西ハワイ諸島の一部だが、行政上はハワイ州ではなく、米連邦政府の魚類野生生物局が直接管理する。長らく無人島だ
1872(明治5)年の鉄道開業時、線路を敷くため東京湾の浅瀬に築かれた「高輪築堤」(東京都港区)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部パリ)は、国際的にも非常に重要な遺産だとして、調査に伴う解体をやめるよう求める「ヘリテージアラート」を出し、JR東日本の深沢祐二社長らに宛てて文書を送付した。(梅野光春) イコモスは、世界文化遺産の登録審査を行う機関。高輪築堤を「日本の近代化の出発点であり、日本と(建設指導に当たった)英国の技術を合わせた構造物が、非常に良い状態で残っている」と評価。アラートでは、遺構の重要性を広く知らせないまま解体・再開発を進めることは、国や都の文化財保護行政上、深刻な懸念材料で、あしき前例を残すとしている。
JR高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)西側で出土し、世界遺産級と称される鉄道遺構「高輪築堤」は、JR東日本の再開発で大部分が壊され、跡地に超高層ビルが建つ見込みだ。私は遺構をひょんなきっかけで見かけ、昨秋から取材を続けているが、再開発計画をより大胆に変更して保存範囲を広げ、後世に伝えるべきだと強く感じている。(梅野光春)
東京・銀座で托鉢(たくはつ)を続け、東日本大震災の被災地で死者を弔い続けた一人の僧侶が、新型コロナウイルス感染症で亡くなった。66歳。「まだ、どこからか現れそうだけど―」。その精力的に動く姿を知る人は、突然の死に衝撃を受けている。
日本学術会議が推薦した候補者6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題をめぐり、学術会議に関して誤った情報が、著名人や記者らによって次々とインターネットやTVを通じて発信され、あたかも事実のようにとらえられて拡散している。専門家は「発信者側が正確な情報を事実に基づき発信するよう努力するとともに、受け取り側も真偽を見極める力をつけていく必要がある」と指摘する。(望月衣塑子)
中小企業に最大二百万円を支給する持続化給付金で、一般社団法人サービスデザイン推進協議会から事業の再委託を受けた広告大手の電通がさらに、人材派遣のパソナやIT業のトランスコスモスに業務を外注していたことが分かった。法人の設立に関与したこの三社が給付事業の大部分を担っており、実体に乏しい法人を経由して、国の委託費を身内で分け合う不透明な構図が浮かんだ。(森本智之、桐山純平) 経済産業省が一日、国会の野党合同ヒアリングで明らかにした。法人の職員全員が、三社を含む設立に関与した企業からの出向者であることも判明。給与は法人と元の企業の双方から出ており、野党議員からは法人の存在意義を問う声が強まった。 法人から七百四十九億円で業務の大部分の再委託を受けた電通は、給付金の申請の受け付け業務を四百五億円でパソナに外注、トランスコスモスにもコールセンターの運営を任せていた。給付金の振り込み業務についても、法
トップ > 特集・連載 > ドナルド・キーンの東京下町日記 > 記事一覧 > 記事 【ドナルド・キーンの東京下町日記】 三島への戯れ 癒えぬ痛みに Tweet 2012年12月2日 地元商店街の「フタバ書店」を訪れたドナルド・キーンさん=東京都北区で(淡路久喜撮影) ちょうど五十年前に発表された、三島由紀夫の『美しい星』(新潮文庫)が、再び売れていると聞いた。美しい星とは地球のこと。空飛ぶ円盤を見た一家が、自分たちは地球外から来た宇宙人だという意識を持ち、米国とソ連が対立する東西冷戦下に、核戦争を防ごうと奮闘する話だ。三島としては目立って前衛的な作品だった。 東日本大震災による原発事故後に、私たち日本人はセシウムなどの放射性物質の恐怖に直面した。それに触発されたのだろう。この出版不況に、三島作品が売れるのはうれしいことである。 私が三島と初めて会ったのはこの東京。編集者の計らいで、一九五四
静岡市で八日にあった大相撲春巡業「富士山静岡場所」で、力士が土俵上で子どもに稽古を付ける「ちびっこ相撲」に、毎年参加していた小学生の女児が参加できなかったことが分かった。主催者側に日本相撲協会から直前に「女の子は遠慮してほしい」と連絡があった。 富士山静岡場所は前身を含め二〇一三年から毎年開催。少なくとも昨年までの三年間は、ちびっこ相撲で女子児童が土俵に上がっていた。今年は静岡市と静岡県焼津市の相撲クラブの女児五人程度が参加する予定だった。 主催した実行委員会の幹部によると、静岡場所を担当する日本相撲協会の荒磯親方(元幕内玉飛鳥)から四日に電話があり、ちびっこ相撲に女児を参加させないよう要請された。ちびっこ相撲には結局、焼津市と静岡市の相撲クラブの男子のみ約二十人が参加した。 電話があった四日は、京都府舞鶴市での巡業で、土俵上であいさつをしていた多々見良三市長が突然倒れ、看護師の女性らが駆
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