印刷 保護断念が決まった「奇跡の一本松」=13日、岩手県陸前高田市、山西厚撮影 震災の大津波に耐え、復興のシンボルとなっていた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」について、日本緑化センター(東京都)は13日、「蘇生は絶望的」として、これまで取り組んできた保護を正式に断念したことを明らかにした。市は一本松の幹を「記念碑」として保存する方針で、近く具体策の検討に入る。 国の名勝・高田松原は7万本の松が茂り、日本百景に数えられた。3月の津波の直撃を受け、ほとんどが根元から折れ、1本だけが残っていた。センターによると、一本松は樹齢約270年で、塩分を含んだ地下水で根が腐るなどして衰弱が進んでいた。 報告書を受けとった戸羽太市長は「あれだけの津波に耐えただけでも奇跡。この9カ月、みんなの支えになってくれた」と述べた。今後は専門家と相談し、樹脂で固めたり、別の場所に移転したりして保存する方法を検討