10年後、中国の「教育力」は日本を抜き去る可能性がある――。急激な経済成長をバネに、 莫大 ( ばくだい ) な国家予算を湯水のように教育分野へ注ぎ込む中国。中央政府の有無を言わせぬ剛腕によって、世界と戦えるトップエリート養成から初中等教育の学校間格差是正まで、教育改革を同時並行かつ一気 呵成 ( かせい ) に進めてきた。『大村智物語―ノーベル賞への歩み』(中央公論新社)などの著書があり、中国の教育事情にも詳しい読売新聞元論説委員の馬場錬成氏が「中国の本気度」を報告する。 中国の教育現場は巨大なエネルギーを内包して、先進国型へと急変している。中国政府は、教育こそ立国の基盤になるとの方針を強力に推進しており、都市と地方の教育格差の解消策と同時進行で、理系・イノベーション人材のエリート速成策もダイナミックに展開している。教育にかける国民の熱気が沸騰しており、10年後、中国の教育レベルは間違い