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「呪いの言葉」に支配されず、政治参加に向けた私たちの言葉を持とう 上西充子(法政大学教授)
このところ考えている。私たちは、「政治には関わらない方がよい」という感覚へと、無意識のうちに誘導... このところ考えている。私たちは、「政治には関わらない方がよい」という感覚へと、無意識のうちに誘導されているのではないか、と。 政治をめぐる「呪いの言葉」 私たちは、政治的な発言をすると面倒なことになると思わされている。政治的なことには関わらない方が無難だと思わされている。自分が何を言っても、何をしても、誰に投票しても、どうせ社会は変わらないと思わされている。 あえて「思わされている」と書いた。「思っている」ではなく。なぜなら、政治をめぐる「呪いの言葉」があふれているからだ。 「呪いの言葉」とは、人の思考の枠組みを縛ってしまう言葉を指す。「親に言われ続けたあの言葉に、自分はずっと苦しめられてきた」――例えばそういう時に、「呪いの言葉」という表現が使われる。若い人にとってはなじみのある表現だ。 私は『呪いの言葉の解きかた』(晶文社、2019年)において、「嫌なら辞めればいい」のような「労働をめ
2020/10/09 リンク