奴隷制度の歴史-3 Ⅲ.白人による黒人奴隷貿易とアメリカの奴隷制度 ヨーロッパ人は16世紀から19世紀までの400年間にわたって奴隷貿易を、国家的事業として組織的に何の罪悪感もなしに繰り広げた。 大西洋の奴隷貿易は、16世紀にスペインによって始められた。西ヨーロッパの安物の綿製品、真鍮の腕輪などの金属製品・アクセサリ、ジンなどの酒類、鉄砲そして現地では通貨だった子安貝などを積んだ船がアフリカ西海岸でそれらを奴隷と交換する。代わりに奴隷を積んだ船は西インド諸島やアメリカ大陸へ渡り、そこで、積んできた奴隷との交易によって砂糖や綿花やタバコを手に入れ、それらの商品を積んで、西ヨーロッパの母港にもどるという形をとったため三角貿易と呼ばれた。17世紀にはスペイン・ポルトガルに代わって、イギリスとフランスが西インド諸島に植民地を築き、18世紀からは、産業革命をいち早く迎えたイギリスが、海上覇権をオラン