概要高度100kmから数100kmの上空で核爆弾を爆発させると、上空高くでは大気が薄いため爆風はほとんど起きない。しかし、核爆発によって生み出された放射線の一種:ガンマ線が大気層20kmから40km付近の希薄な空気分子に衝突し電子を叩き出す。叩き出された電子は地球磁場の磁力線に沿って螺旋状に跳び、急峻な立ち上がりで強力な電磁パルス (EMP) を発生させることとなる。 電磁パルスの直撃を受けると、EMPは強力な電磁波なので、波長の適合するあらゆる導体に誘導電流が瞬間的に引き起こされる。特に外部にアンテナ用の電線を持つものや、パルス電流への耐圧・耐電流が不十分なものが特にダメージを受ける。早い話、送電線や送電鉄塔へ雷が落ちたのと似たような状況になる。光ファイバーケーブルを除く通信回路と外部から電源を受け取っている電源回路、それらの周辺にある電流の抜けていく経路となる回路が過電流や過電圧で破壊