1300年頃のルネッサンスの時期に、塔時計によって人類最初の機械式時計が出来てから、正確な等時性を持つ振り子にとって替わるまで、調速機の役割を担っていたのは、棒テンプ(フォリオット・バランス)でした。 天秤の原理で錘の位置を内側外側に調整することで、棒テンプの回転スピード、ひいては、冠型脱進機の歯の進むスピードを通して、針の動くスピードを進めたり遅らせたりして調整していたのです。 棒テンプは、塔時計に使われたのみならず、少なくとも17世紀の中頃までは、室内で使用された重錘式ランタンクロックや、持ち運びの出来る直径10cm以上もある大きな初期の懐中時計にも使われていました。 その後、ガリレオ・ガリレイが、1583年振り子の等時性を発見しました。それにより、機械式時計は、周期運動でコントロールされていなかった時代から、一定周期で連続振動する時代に変わる契機となります。1637年、ガリレオは等時