2016年に障害者施設で45人が殺傷された「津久井やまゆり園事件」が起きた相模原市が公表した人権条例案の骨子。有識者らによる市人権施策審議会の答申は国籍や障害、性的指向など幅広い差別禁止事由を盛り込んでいたが、市の骨子は対象を外国ルーツの人々に絞り、答申が求めていた救済機関や罰則も見送った。世界の包括的反差別法制に詳しい林陽子弁護士は「答申から大きく後退し、実効性が失われる」と懸念する。(安藤恭子) 林陽子(はやし・ようこ) 1956年生まれ、茨城県出身。79年早大法学部卒。83年弁護士登録。2015〜17年日本人初の国連女性差別撤廃委員会委員長。今年7月から市川房枝記念会女性と政治センター理事長。