神戸大学大学院理学研究科の末次健司教授 (兼 神戸大学高等学術研究院卓越教授) らの研究グループは、主要な花粉の運び屋 (送粉者) であるキノコバエ類の一種イシタニエナガキノコバエがナンゴクウラシマソウ (サトイモ科テンナンショウ属) の花序を産卵場所として利用していることを明らかにしました。さらに、通常は脱出不可能と考えられていた花序の上部から、このキノコバエが脱出できることも分かりました。 テンナンショウの仲間は、送粉者であるキノコバエ類を、雌花序の中に閉じ込めて殺すことが知られていました。しかし、今回の研究により、ナンゴクウラシマソウの主要な送粉者は雌花序から脱出する場合があり、さらにその幼虫が腐った花序を餌として成長することも明らかになりました。本研究結果は、これまでの植物学の常識であった「テンナンショウの送粉者は何の利益も得ない」という考え方を覆す発見です。 この研究成果は、国際