「そう、私はリンゴチジョ。ね、町子さん、リンゴって呼び捨てにして。歳も同じ歳だし、去年まで私も金髪にしてたんだ」 「うん、わかったリンゴ。じゃ、私も町子って呼び捨てね。黒髪にはちょっと憧れてる」 「ねぇ……町子、ねぇっ、ねぇっ」 「うん、リンゴ、うんっ、うんっ」 ふたりは互いの名前を呼び合うと、握っていた手を引き合った。リンゴが階段を二段駆け上がって、そうしてゆっくりと互いの体を抱きしめあった。 同じ高さの階段に並んで抱き合うと、リンゴのほうが町子より頭ひとつ背が高かった。しかし、いずれも美しい少女たちだった。 美しい少女たちは抱き合いながら見つめ合い、意外にも気の強そうな町子の方から、とろん、と目を半分閉じて口元の力をゆるりと抜いてみせた。いきなりのキス待ち顔に一ミリも動揺することなく、リンゴは町子の金髪の頭をやわくホールドすると、そーっと唇を合わせた。 そのまま、ぎゅっ、ぎゅっとふたり