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レイングッズ
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要旨 12月の政策決定会合では、長期金利の変動幅の上限を0.50%にする決定を行った。サプライズである。市場機能の低下を是正すると、日銀は説明するが、次期総裁に交代するに当たっての地均しの意味もあると考えられる。これまでの黒田総裁の説明とは食い違いがあるが、その柔軟性は歓迎できる。 目次 突然の修正 為替相場への影響 指値オペの弊害 今後の物価動向 突然の修正 12月19・20日の政策決定会合を踏まえて、長期金利の変動幅の上限をこれまでの0.25%から0.50%へと引き上げた。これはあまりに突然の変更であった。最近の債券市場では、長期金利のレートが取引不成立によって値が付かない日が多くみられていた。日本相互証券株式会社の発表する日次の国債利回りのデータでは、このところ取引不成立で空白になっている営業日が目立っている。 それに対して日銀は、今回の発表文で「市場機能が低下している」と指摘し、「
要旨 「防衛費・GDP比2%」の「2%」は言うまでもなく、100分の2、つまりGDPに対する「比率」、別の言葉でいえばGDPに掛ける「係数」である。 「GDP比2%」の意味は「即応性のための軍備の増強」とともに、より直接的には国内外に「政治的意思」を示すことにある。 NATOでは経済力に対する応分の貢献、「GDP比2%」をガイドラインとしている。特に米国一強の下で安定した国際秩序を享受していた2000年代と異なり、中国の台頭によるパワー・バランスの変化、ロシアによるウクライナ侵略を背景に、米国以外のNATO加盟各国、あるいは日米同盟に関わる日本において、国内外から応分の貢献を求める圧力が高まっているのが現状と言えよう。 中国と日本における防衛費の「比率」と「実額」の推移を比較すると、両国の防衛費の差に関し、経済成長の差が決定的に重要な役割を果たしている。仮に「2%」について国民の理解ととも
要旨 先月、英国ではトラス新政権誕生に伴い、大規模な財政出動方針が打ち出されたことをきっかけに、金利上昇(国債価格下落)、通貨安、株安のトリプル安が同時に進行するいわゆる英国売りにより金融市場が混乱した。これによって、日本も大規模な財政出動を打ち出せば、トリプル安を招く懸念があると一部の識者の間で指摘されている。 欧米ではインフレ率が既に+8~+10%台に到達しているため、現在の欧米のように、需給ひっ迫によりインフレ率が目標の+2%を大きく超えてしまっている国は、財政出動が限界にきている。しかし、日本の場合はコストプッシュ型のインフレであるため持続性は低い。 IMFのGDPギャップで比較すると、米国では2021年時点、英国でも2022年時点で需要超過になっており、需要超過によりインフレ率が加速している一方、日本では2022年時点でも大幅な需要不足が続いている。特に日本の場合、90年代後半以
要旨 日本経済はアベノミクス始動以降、景気が好転したといわれている。しかし、その間の実質賃金は大きく低下している。アベノミクス時の回復局面では、過去2回と比べて常用雇用者数と名目賃金の増加が著しい一方で、消費者物価の上昇により実質賃金の改善が弱い。 実質賃金は従業員の景気実感を判断する指標とする向きもある。しかし、この統計の元になる名目賃金は労働時間が短く平均賃金より低い雇用者数が増加すると、既に働いている人の賃金が下がらなくても低下してしまう。このため、最低賃金や米国の単位当たり賃金データは時間当たり賃金で測られるのが一般的。 従来の一人当たり実質賃金指数では、2012年度から2021年度にかけて▲4.9%下がっている。しかし、一人当たり実質賃金指数を一人当たり平均総労働時間指数で割った時間当たり実質賃金指数を試算すると、2012年度から2021年度にかけて+2.0%も上昇している。背景
要旨 購買力平価でみると、1ドル100.4円であった。実際の為替レートは1ドル135円と比較して▲25%も割安だ。日本の貿易構造は、エネルギー輸入拡大で赤字傾向になり、為替も円安が定着した。大幅な円安でも輸出拡大が起こりにくいと、為替が円高方向にリバランスせず、円安トレンドを生んでしまう。 目次 1ドル135円は▲25%割安 PPPとは何か? 2013年までの円高の説明 貿易収支を赤字化させる変化 円高が止まった理由 安くなる労働コスト 黒田総裁の誤算 1ドル135円は▲25%割安 円の価値は、安くなりすぎていると多くの人が感じている。では、この「安い」という感覚は、何と比較して「安い」のだろうか。いくらか為替理論を知っている人は、割安という基準が購買力平価(PPP)と実際の為替レートを比較して、安いのだと考えるだろう。 代表的なPPP指標は、OECDのデータに示されている。2021年の購
目次 1.DAOの登場 2.DAOにおける取組状況 3.DAOの可能性 1.DAOの登場 Web3.0は、インターネットにおける革新的なデータ流通構造を表現する概念だが、それを実現する仕組みの1つとして、DAO(Decentralized Autonomous Organizationの略で、日本語訳は「自律分散型組織」)が注目されている。 DAOは、組織の効率的な運営を実現する試みとして創られた。DAOにおける意思決定は、メンバーによる投票によって行われる。投票で決定された事項はプログラムにより自動的に実行されるため、人による恣意的な改ざんや不正が発生することはない。また、DAOにおける意思決定や活動は完全に公開されることで可視化される(図表1)。 従来の組織運営の常識では考えられなかったDAOが生まれた背景には、インターネットを通じて地域や国境を越えて共創する組織や事業体が登場し、物理
経済分析レポート 日本、米国、欧州、アジア、新興国経済に関する様々な分析レポート 経済指標レポート 世界各国の経済指標に関するタイムリーな情報、解説レポート 経済見通しレポート 日本、米国、欧州、アジア経済に関する今後の見通しレポート 金融市場レポート 株価・金利・為替マーケットおよび金融政策に関するレポート ライフデザインレポート 主に生活に関連した研究レポート、調査結果のプレスリリース 第一生命経済研レポート 経済・金融市場に加え,様々な話題を取り上げた月次レポート ビジネス環境レポート 労働、環境、技術、外交などビジネス・社会環境に関する研究レポート 1分でわかるトレンド解説 注目のトレンドワードについて、わかりやすく1分で解説したレポート
要旨 消費者物価指数が上昇に転じる一方で、GDPデフレーターは大幅下落が続いている。乖離の原因は輸入物価の上昇による海外への所得流出。輸入物価の上昇がCPIの押し上げ要因になるのに対して、コスト増が十分に価格転嫁ができない場合にはGDPデフレーターの押し下げ要因になる。 海外への所得流出による損失は、主に家計と企業によって負担される。輸入物価の上昇により生じたコスト増を販売価格に十分転嫁できなければ企業収益の圧迫の形で企業が負担し、値上げが実施されれば家計の負担が増大する。前者(収益圧迫)がGDPデフレーターの下落、後者(家計負担増)がCPIの上昇に対応する。どちらも景気を悪化させる要因であり、コストプッシュの形で生じるCPIの上昇は、デフレ的な側面も併せ持つ。 この先予想されるCPIの上昇は、あくまで資源価格の上昇によるもので、持続性には疑問符がつく。時間の経過とともに原油価格の上昇寄与
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