サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
レイングッズ
www.cinema2d.net
百田尚樹先生の原作小説を赤ペン先生のごとく修正して良作に変えた坂口理子脚本 映画版『フォルトゥナの瞳』は三木孝浩監督作品。そして脚本は坂口理子氏である。HKT48にもまったく同姓同名のメンバーがいるがもちろん別人で、坂口理子氏は『かぐや姫の物語』で高畑勲と共同脚本を担った女性脚本家である。『かぐや姫』の脚本作業がどれほど難航したかは有名な話だが、高畑勲一人があれこれ理屈をこねてまったく進まないので業を煮やし、坂口理子氏が途中から投入された経緯はここにある。↓ 『かぐや姫』公開後は高畑勲の才能に絶賛が集まるのに比べ、坂口理子氏の功績については語られることが少なかったように思うが、「あの高畑勲と共同脚本で映画を完成させた」という事実だけでズバ抜けて優れた才能なのがわかると思う。なぜなら高畑勲という人はズバ抜けて優れた才能でなければ共同脚本など絶対に許さず完膚無きまでに叩き潰してしまう人だったか
「フョードル・ドストエフスキーは神に見捨てられた人々をこの上なく優しく描き出しました。神を作り出した人間が、その神に見捨てられるという凄絶なパラドックスの中に、彼は人間存在の尊さを見出したのです。ぼくは闇の中でみみずくんと闘いながら、ドストエフスキーの『白夜』のことをふと思い出しました」 村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』収録『かえるくん、東京を救う』 韓国で1年間暮らし、ポン・ジュノ監督の下で助監督を務めた若い才能、片山慎三監督が2年間をかけて撮り上げた映画。パンフレットには日本の映画関係者、批評家、俳優から監督への賛辞が多く寄せられている。障碍を持つ兄妹と、その経済的困窮、そして自閉症の妹に売春を斡旋する兄を映画は描いていく。 この映画が公開されたのが平成初期の日本であったら、もしかしたら今とは違う形で消費されていたのかもしれない。サブカル、鬼畜系といった文脈の中でカルトムービーと呼
題しまして『グラップラー結希』 見て来ました、映画『21世紀の女の子』。山戸結希監督の企画プロデュースの元に、若き女性監督が集結し、8分間の連作短編を競う。実は僕はこの映画の公開前に新宿テアトルでやった日本初の試写みたいな時から見て面白いなと思っていたんですが、感想を書くのが難しいんですよね。感想たってさ、15作品あるわけだからどれ書けばいいんだと。公開後の感想を見てもみんなそれは同じみたいで、映画の全体的印象を書いている人が多い。もちろんそれはいいんだけど、どんなのあったっけ?と思い出せる全作品感想があってもいいと思うんですね。そこで漫画『グラップラー刃牙』に選手入場だけでまるまる一週使い果たした有名なシークエンスがありまして(知らない人は21巻を読んでみて下さい)アレで全作品紹介・感想書いてみようと。 いや読んだことない人は意味わかんないと思いますけど。わかったら面白いのかと言われると
長澤まさみという、今や邦画を支える名女優にとっても近年のベストだと思う (ある程度のネタバレを含みます) 『マスカレード・ホテル』の興行収入は2月末の時点ですでに40億円を突破したそうだ。もちろん東野圭吾というベストセラー作家の人気小説の映画化ではある。そして明石家さんま始め、多くのスターがゲスト出演!とフジテレビが宣伝してもいる。そういう要因がまったくヒットに関係ないとは言わないけど、でも映画を見た人ならたぶん、この映画が結局のところ木村拓哉と長澤まさみのツーマンショー、二人の映画だったというのは感じるんじゃないだろうか。 『マスカレード・ホテル』には銃撃戦もカーチェイスもない。時空を行き交うスペクタクルもないし、衝撃のラストもない。トリックだって東野圭吾には悪いけどあっと驚くほどの仕掛けではない。豪華ゲストの芸能人たちだってせいぜい顔見せ程度の出演でしかない。映画の中心にいるのは最初か
阪本順治監督の男子映画を支える池脇千鶴の演技力、男子の3倍ギャラ払ってあげて 稲垣吾郎と阪本順治。岡村靖幸feat.ZEEBRAみたいな組み合わせであるが、これが思いの外うまく噛み合っている。映画『クソ野郎と美しき世界』では物語に没入する香取慎吾・草彅剛の二人に比べ狂言回し的な位置だった稲垣吾郎だが、今作では繊細かつ不器用、永遠の少年にして生活力がポンコツという未成熟な父親をものすごく吾郎ちゃんっぽく演じていた。「万引き家族」のリリーフランキーのようにあからさまなダメ人間ではなく、一見するとハンサムで素敵な男性なのにどこか未熟でどこかダメ人間、という「地味にダメなのよねうちの人」という奥様がイライラする感じをものすごくよく出せていたと思う。ある意味では不器用なところがある俳優だと思うけど、今作は劇中人物として非常に良かった。 これと対になるのが妻を演じる池脇千鶴の演技力で、やっぱこの人めっ
とても快適だった映画館ライブビュー。立って見るか座って見るかが今後の課題かも 乃木坂46のコンサートには行ったことがありませんでした。ちなみに握手会もない。今回、西野七瀬さん卒業とのことで行ってみたいとは思いつつあなた、「行ってみたい」で行けるようなグループじゃないわけですよ今の乃木坂は。まあ見てくださいこの記事を。 www.sanspo.com 50万人。5万人の京セラドームに競争率10倍。しかもなぁちゃん(西野七瀬さんのニックネームです)の地元で大阪だしね。こりゃだめだと諦めていたところに「映画館で中継ライブビューを行う」との記事。ライブビューという名前は聞いていたもののコンサートを映画館で中継して見るってどうなんだろうか?と今まで見た経験はなく、この機会にとライブビューを初体験したわけです。 結論から言うと、ライブビューとても良かった。というかむしろこれ悪い席でコンサートに行くよりい
ぱるる頑張れ!コメディエンヌとしては48系坂道系OB女優中でもトップ級だと思う (『翔んで埼玉』のネタバレを含みます) いやさ映画見た人なら分かると思いますけど、東京はまだ全然いいわけですよ。なんだかんだ言って最後にフォロー入ってるわけ。独裁者都知事を二階堂ふみ演じる息子が自らの手で引きずり下ろして圧政と差別をやめさせるという映画オリジナルの結末、ムッソリーニをレジスタンスが倒したイタリア、生まれ変わった東西統一民主ドイツ的な描かれ方をされてるじゃないですか。「さすが腐っても東京だ」「やっぱ首都はお前だよ」「これからは差別なくやっていこうぜ」的な感じでね、こういったナンセンスな自虐ネタも笑えてしまう、懐が深くてユーモアの分かる埼玉・千葉・群馬・栃木・茨城のみんな、俺たちみんな関東民だよな!という関東連帯意識さえ芽生える中ですね、 「あれ、神奈川いた?」 「いただろ、あの東京都知事に媚びてた
(ネタバレを含みます) 映画『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』の興行収入は最終的に13億円に達し、翌年、制作のTBSはこれに手応えを得て地上波ドラマ版の制作にも乗り出すことになった。成功と呼ばない人はいないと思う。 でも僕はこの『チアダン』が成功を約束されていたとは思わない。むしろ完全に破綻する企画の映画化だったと思う。 タイトルからモロに分かるとおり、これは『ビリギャル』のヒットに気をよくしたTBSが「実話を元にして旬のアイドル女優が演じればイケる」という的外れなマーケティングの元に走り出した典型的な邦画の負けパターンだったと思う。だいたい『ビリギャル』は『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて 慶応大学に現役合格した話』という100万部クラスのベストセラー原作ありきの映画化だったのだが、『チアダン』は福井県立福井商業高校チアリーダー部の実話が元と言
アクアマンはヒゲマッチョなのになぜマリリン・モンローっぽく見えるのか 『バットマン対スーパーマン』のクライマックスに満を持してワンダーウーマンが参戦した時の日本の映画館に満ちた「はあ?」という雰囲気は今も忘れられない。ワンダーウーマン単独映画公開後の今でこそ知名度は広がったが、当時の観客、特に小学生を中心とした層が「ゴジラ対キングギドラ的なボコスカ合戦を期待して見に来たら思いの他ザックスナイダーの演出が難解で、まあそれでも一応バットマンとスーパーマンは戦っているわけだしヨシとするか」と手を打ちかけたところに全然知らないお姉さんが「みんなお待ちかねの!」という完全にアメリカの観客を想定した演出で登場したわけである。かと言って映画のクライマックスにワンダーウーマンが登場するということ自体が決定的に重要なネタバレなので、事前に宣伝番組で「ワンダーウーマンとは」という予習をさせるわけにもいかず、結
『シュガーラッシュ・オンライン』はディズニー版の千尋とカオナシの物語だと思う (ネタバレを含みます) 『シュガーラッシュ・オンライン』の興業も最終盤なので書こうと思うのだが、これは果たして本当に「新しいことが大好きなヴァネロペと、変化が苦手なラルフ」などという穏当でのんきなテーマの映画だったのだろうか。「27年間誰も友だちがいなかった」とつぶやくあからさまに冴えない、社会性の欠如した男と、聡明で利発な9歳の少女の友情の物語。「ゲームのキャラクターだから」という隠喩のワンクッションを置いてはあるものの、リュックベッソンの『レオン』ですら槍玉にあがりかねない今のアメリカのど真ん中に、よりによってディズニーがぶちこんできた「少女と男のロードムービー」ではないのか。 もちろん2012年の前作『シュガーラッシュ』からしてある意味でそういう話ではあったのだが、7年を経た続編では「少女と成人男性の友情」
制作発表の第一報から「やめてくれ」という声の嵐だったし、キャストが発表されたり映像が出たりするたびにそういう声は強まった。これは叩いていい、叩くのが正義だ、というある種のコンセンサスがネットに出来てしまって、そうなるともう止まらなくなる。いつものこと。叩くために見に行って突っ込みポイントをピックアップしてネタにされたり。まあわかんなくもない。とかく言われる漫画原作の中でも極めつきに難しい素材だしさ。実際完成した映画に突っ込み所があったのも認める。いくら伊勢谷友介でも空条承太郎は無理だよ、というか演技ができる195cmのイケメン俳優って誰だよ、という話もわかる。 でもそんなに悪い映画じゃなかったと思うんだ。 ツイッターでも書いたけど、あれは三池監督によるある種のヤンキー映画だと思う。 そして荒木飛呂彦という人がジョジョの第4部で描きたかったのもある種のヤンキー漫画で、彼があまりにも頭がいいの
2021-12-30 年忘れ「2021年、もっとヒットしてもよかった映画10本を振り返る。」 ブログの方はひさびさになってしまいすみません。 あちこちで今年の映画ベスト10が選ばれていますが僕はどうもこれが得意でなく、 代わりに「ヒットしなかったけど、あれよかったのにな」という映画を振りかえってみたいと思います。あんまり名誉じゃないか… 2021-10-01 文春オンラインに『マスカレード・ナイト』の記事を書いたでござる bunshun.jp 良かったら読んでみてくだされ。 以前にこのブログで書いた『マスカレード・ホテル』の記事も思い出してくれたらうれしいでござる www.cinema2d.net 2021-05-24 文春オンラインにエヴァの記事を2本書いたでござるよ どちらも自分として書きたいことが書けた記事なので、もしよければ読んでみてくだされ bunshun.jp bunshun.
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『CDBのまんがdeシネマ日記』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く