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世界禁煙デー
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同志社大学の全学部共通科目「建学の精神とキリスト教」の2019年度の授業で、テキストの一つとして採用された『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』(講談社、2018年11月) 本紙に寄稿してくださっている青木保憲氏は現在、同志社大学で嘱託講師をしており、全学部共通科目である「建学の精神とキリスト教」(以下「建キリ」)を担当している。その2019年度の授業で、『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』(以下『せかゆる』)をテキストの一つとして使用するという。フォロアー9万人超え(19年3月現在)の人気ツイッターを運営する同教会から生まれた本書だが、新島襄が設立した同大の建学の精神を伝える授業でなぜ採用したのか。その経緯を青木氏に伺った。そこから見えてきたのは、現代の若者たちにどうキリスト教を伝えるべきか、という古くて新しい問いへの「一つの回答」だった。 ◇ クリスチャントゥデイ(CT):「
「教会に行ってらっしゃるそうですが、どうして宗教なんか信じているんですか」 こんな問い掛けをよくされます。本当に熱心な人ならば、いろいろと答えられるのでしょうが、私はダメです。別に熱心でないというわけではないのですが、これといった理由が見つからない、というか説明ができるような回答がないのです。信じるようになったきっかけは、ある意味では答えられるかもしれません。人に聞けば、言いづらそうにこう答えてくれるでしょう。「両親が教会に通っているから」「出身がミッションスクールだったから」「悩み事があったから」「牧師の元に相談に」・・・。 宗教を信じるようになるきっかけというのは、本当に多くあると思います。でも「きっかけ」それ自体は非難も否定もできないのではないか、と思います。例えば、「おまえは弱いやつだから宗教なんか信じてしまったんだ」という意見をよく聞きます。どうでしょうか。私には、弱い人ばかりが
誰もが本を読んでいた私の学生時代 私の学生時代(1950年代)には、電車の中で若い人はほとんど本を読んでいました。小型で軽く、安い文庫本が中心でしたが、10人中8人は一駅先で降りる場合も、1ページでもという様子でした。 戦争中は自由に読める本が少なかったので、戦後はその穴を埋めるべく、私たちより10歳ほど上の方々も熱心に読んでいました。 私が戦後最初に買った本は『聖書』(新約の詩編付きと旧約)と『徒然草』、いずれも文庫本大のものでした。 当時出版された本は、今のように趣味・興味・娯楽中心というよりは、むしろ思想・宗教・文芸ものが売られていました。岩波文庫から出た西田幾多郎の『善の研究』がベストセラーになり、人々が列をなして買う様子が写真入りで報じられたのは、今ではうそのような話です。 敗戦後は米国から宣教師が、占領軍の支持の下どっと日本に入り、キリスト教信徒は増しました。 キリスト教関係の
【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)が任命した司教による中国の政府非公認組織「地下教会」の2教区が16日までに、公認教会「中国天主教愛国会」に一本化された。中国が単独で任命していた7人の政府系司教をローマ教皇フランシスコが追認して和解に達した。 中国ではバチカンとの対立から福建省閩東(ミントウ)教区と広東省汕頭(スワトウ)教区で、政府系司教とバチカン系司教が共に地位を主張しており、9月にバチカンと中国が交わした司教任命をめぐる暫定和解後の動向が注目されていた。 北京の釣魚台(ちょうぎょだい)迎賓館で13日、閩東教区の「地下教会」の司教の任務を、中国天主教愛国会の司教に引き継ぐ式典が行われた。 「地下教会」を引き継いだ司教は詹思禄(チャン・スールー)氏。教皇の承認を受けずに司教に任命されたことで自動的にバチカンから破門されていた1人だが、暫定合意を受けてバチカンが詹氏を司教として追認した。 こ
記者会見で、この日発売された「聖書協会共同訳」を前に説明する日本聖書協会の渡部信総主事(右)と、同協会翻訳部の島先克臣(かつおみ)主事補=3日、日本基督教団銀座教会(東京都中央区)で 「新共同訳」以来31年ぶりとなる、カトリックとプロテスタント共同による新しい日本語訳聖書「聖書協会共同訳」が3日、発売された。プロテスタント107人、カトリック41人の計148人が、翻訳者や編集委員などとして参加。底本は可能な限り最新の校訂本を用い、最近の聖書学や翻訳学などの進展、日本語の変化なども踏まえ、完成まで8年かけて翻訳した。同日には、発行する日本聖書協会が日本基督教団銀座教会で記者会見を開き、メディア各社約20社が集う中、新しい聖書の発行の経緯や特徴などを説明した。 オランダでの成功事例に学び「スコポス理論」を採用 「聖書協会共同訳」の翻訳は2010年10月から始まった。しかし、同協会はその5年前か
「カトリック学校の過去・現在・未来」と題して講演した品田典子氏(日本カトリック学校連合会事務局長)=10月20日、真生会館(東京都新宿区)で 日本のカトリック学校は今、少子化や公立志向の増加という日本社会全体の傾向や、それまで学校を支えてきた司祭・修道者の高齢化や信徒教員の減少など、カトリック学校独自の課題も多く抱えている。そしてさらに、2020年の大学入試改革を含む戦後最大規模といわれる「教育改革」が迫っている。そうした中、カトリック教育界の現場で活躍する人たちを講師としたセミナーが開催された。 セミナーを主催したのは、カトリック社会問題研究所。同研究所は毎年、さまざまなテーマのセミナーを開催しており、今回で55回目。カトリックの学校教育については、過去にも何度か取り上げてきた。 今回のセミナーでは2日間にわたり計5つの講演が行われ、1日目には、日本のカトリック学校・幼稚園800以上が加
今月6日に行われる米大統領の中間選挙を前に、ドナルド・トランプ大統領がらみの「福音派」に関するニュースが、日本でもかしましく報道されている。新聞やテレビ、ネットなどを少し注意して探すなら、そこかしこに「トランプ政権を支える福音派」なる言葉が躍っている。 大統領支えるキリスト教福音派(NHK) トランプ政権と福音派(時論公論)(同) 共和党支える福音派=8割支持も「反トランプ」の動き-米中間選(時事通信) 先日、日本のある福音派の牧師からメールを頂いた。それは、自分たちの周りの福音派教会では、米国の福音派をどう捉えたらいいか、皆目見当がつかない状況で、信徒からも質問されるが、明確にどう答えていいか分からない、というものだった。 そこで今回は、最も基本となる「米国の福音派」が持つ世界観と、それへの日本のキリスト教界の対応例(決して唯一ではない!)を紹介したいと思う。 政治と宗教の関係 日本と米
12月上旬に発売される新しい聖書「聖書協会共同訳」。左が旧約聖書続編付き。※ 写真は制作中のイメージで実物と異なる場合がある。 日本聖書協会(東京都中央区)は今年12月上旬、同協会発行のものとしては31年ぶりとなる新しい翻訳の聖書「聖書協会共同訳」を発売する。2010年から8年かけて翻訳を行い、これまで出ている日本語訳聖書の改訂や改訳ではなく、「文語訳」(1917年)、「口語訳」(55年)、「新共同訳」(87年)に続く、同協会4番目の聖書となる。書店やアマゾンなどのネットで予約受け付けが始まり、初刷のみ記念価格で販売される。 「聖書協会共同訳」は、「新共同訳」同様、カトリックとプロテスタントの諸教会が共同で取り組んだ聖書で、礼拝での朗読にふさわしい格調高く美しい日本語訳を目指して翻訳された。そのため、聖書をヘブライ語やギリシャ語などの原語から訳す「原語担当者」と、原語担当者が訳した日本語訳
三大ギリシャ語写本の一つである「バチカン写本」。写真の写本には、テサロニケの信徒への手紙二3章11~18節(左)、ヘブライ人への手紙1章1節~2章2節(中、右)が書かれている。 皆さん、こんにちは。前回に引き続き京大式・聖書ギリシャ語入門を担当します、宮川創、福田耕佑です。前回の講座はいかがだったでしょうか。私たち自身の研究や欧州での経験を反映させながら、他の参考書では見ることのできない京大らしい(?)観点や分かりやすい解説を心掛けていきます。私たちの講座を通して、一人でも多くの方にたとえ一部であっても、聖書のギリシャ語原典を味わっていただければ幸いです。今回も何卒よろしくお願い致します。今回は第1回の練習問題の解答から始めます。それからギリシャ文字のアルファベット(前半)について解説し、例題2(ヨハネ1:1)を取り上げます。 ■ 第1回の練習問題の解答 1)次の新約聖書の一節を日本語に訳
建築に40年かかったとされる末日聖徒イエス・キリスト教会(通称・モルモン教)のソルトレイク神殿(米ユタ州ソルトレイクシティー)(写真:Entheta) 末日聖徒イエス・キリスト教会(通称・モルモン教)のトップであるラッセル・M・ネルソン第17代大管長は16日、「モルモン教」や「LDS教会」といった呼称を今後は使用しないとする声明(英語)を発表した。これについて、南部バプテスト神学校(米ケンタッキー州)のアルバート・モーラー・ジュニア学長は、クリスチャン、特に福音派が知っておくべき神学的に重要な事項があると述べている。 一方、この呼称変更が実際に実施されるかは疑問視されている。「モルモン・タバナクル合唱団」のように影響を受ける可能性のある著名団体が多数存在するためだ。 しかしネルソン氏は声明で、「主はご自身の教会の名称の重要性を私の思いのうちに明らかにされました。『末日聖徒イエス・キリスト教
同性カップルのウエディングケーキ作りを拒否したことをめぐる訴訟で、今年6月に米連邦最高裁で逆転勝訴したジャック・フィリップスさん(コロラド州在住)が、今度は性転換を祝うケーキ作りを拒否したことをめぐり、再び法廷に立つことになった。 最高裁は6月、7対2でフィリップスさん側を擁護する判決を下した。判決は、コロラド州公民権委員会が、キリスト教徒であるフィリップスさんが持つ宗教的信条を不当に扱ったというもので、同性愛者のケーキ作りを拒否したことを「差別」とした同州の判断を破棄した。 しかしこの判決が出てから数週間後、今度は性転換を祝うケーキ作りを拒否したことをめぐり、同州はフィリップスさんが差別を禁止する州法に違反したとした。そのため、キリスト教保守派の法律家らによる非営利団体「自由防衛同盟」(ADF)は14日、フィリップスさんの代理人として、同州の公民権委員らのほかに、シンシア・コフマン司法長
終戦3日後の1945年8月18日、カトリック保土ヶ谷教会(横浜市)で、横浜教区長の戸田帯刀(たてわき)神父(当時47)が射殺死体で発見される事件があった。十分な捜査が行われることなく、「憲兵の犯行」として片付けられ、事件から約10年後に犯人だと名乗る男が教会に現れるも、不問にされ真相は分かっていない。カトリック教会内でも事件は広く知られているわけではなく、戸田神父の死は長らく「封印された殉教」だった。 この事件を追い、カトリックの隔月誌「福音と社会」で8年にわたって連載を続けてきた元毎日新聞記者でノンフィクション作家の佐々木宏人氏(荻窪教会所属)が1日、東京・信濃町の真生会館で講演した。同誌を発行するカトリック社会問題研究所が主催した。佐々木氏は事件を追い始めた経緯から、事件の概要、戸田神父の歩み、戦時中の宗教弾圧まで幅広く取り上げ、事件が持つ今日的意味を問い掛けた。 「ペトロ岐部と187
「2・26事件は、私にとって赦(ゆる)しの対象から外れています」 昭和史研究家で有名な保阪正康氏の最新のベストセラー『昭和の怪物 七つの謎』(講談社現代新書)に出てくるシスター渡辺和子の発言だ。ノートルダム清心学園で長年、教育者として仕え、代表作『置かれた場所で咲きなさい』が200万部を超えるシスターは一昨年末、89歳で天に帰られた。 陸軍大将・渡辺錠太郎教育総監の次女として生まれたシスター渡辺は、1936(昭和11)年の2・26事件で、父が機関銃で殺されるのを目撃した。当時9歳だった少女の目の前で起きた悲劇について、保阪氏は本人が帰天する1年前に4時間にわたってインタビューした。保阪氏の狙いは、シスターのインタビューを柱に、昭和史最大の事件、2・26事件の闇を明らかにすることにあった。 その中で保阪氏は、著書の中で「復讐(ふくしゅう)の感情に身をゆだねれば、心の中の争いという苦しみはいつ
■ はじめに さて、今回からギリシャ語の講座を担当します、宮川創(みやがわ・そう)、そして、福田耕佑(ふくだ・こうすけ)と申します。 宮川はドイツのゲッティンゲン大学、エルサレムのヘブライ大学、京都大学、北海道大学などで言語学と古代地中海地域の文献学を学び、古代および古代末期のエジプトを中心とした、ギリシャ語文献とコプト語を含むエジプト語文献、そして、これらの言語の歴史に関して研究してきました。現在は、古代のギリシャ語訳旧約聖書である七十人訳聖書からの詩編のコプト語訳と、紀元後4〜5世紀のエジプトの修道院長であるシェヌーテによるコプト語訳詩編からの引用を研究しています。 福田はギリシャのテッサロニキ・アリストテレス大学と京都大学でニコス・カザンザキスを中心とした現代ギリシャの思想史と文学を研究しています。また、ギリシャでギリシャ語を用いて聖書とその思想を学んでいます。 タイトルに「京大式」
ローマ教皇フランシスコは、カトリック教会の教理をまとめた『カトリック教会のカテキズム』の死刑に関する項目の改訂を承認した。同書にはこれまで、死刑は制限されるべきものだが「皆無ではないにしても、非常にまれ」にあると記載されていた。これが改訂により「死刑は認められません。それは人間の不可侵性と尊厳への攻撃だからです」と、明確に死刑に反対する内容に変わった。さらに、カトリック教会全体が死刑廃止に向けて働き掛ける姿勢も示した。バチカン(ローマ教皇庁)が2日、公式サイト(英語)で発表した。 バチカンの発表によると、改訂されたのは『カトリック教会のカテキズム』の2267項。改訂された同項は、死刑は長年、重大犯罪に対する適切な対応として、また共通善を守る手段として考えられてきたが、人間の尊厳に対する意識の高まり、国家が科す刑罰の意義についての新しい理解の登場、効果的な拘留システムの発展を考えた結果、カト
カトリック中央協議会は3日、ローマ教皇フランシスコによるツイッターへの投稿(ツイート)を日本語に翻訳して配信していたアカウント「教皇フランシスコ(邦訳)」(@chuokyo_pope)が凍結されたと発表した。理由は不明で、ツイッター社に対してはすでに異議申し立てを行い、回答を待っている状況だという。 同協議会は公式サイトで「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」「再開まで今しばらくお待ちいただきますようお願い致します」としている。 教皇フランシスコは、ツイッターのアカウントが9言語あり、毎日短い言葉を発信している。同協議会は2013年から、英語のツイッター(@Pontifex)の投稿を日本語に翻訳して発信していた。教皇のツイッターのフォロアー(読者)は、昨年10月には9言語合わせて4千万人を達成。日本語訳アカウントのフォロアーは、先月末の時点で9千人を超えていた。 続報:凍結されていたアカ
映画「パウロ 愛と赦しの物語」(原題:Paul, Apostle of Christ)のポスターと予告編が26日、解禁された。 メル・ギブソン監督の「パッション」(2004年)でイエス・キリスト役を演じたジム・カヴィーゼルが主演を務めることで注目の本作。使徒パウロの生涯を描いた作品だが、主人公はパウロに仕え、新約聖書の「ルカによる福音書」「使徒行伝」を記した医者ルカだ。カヴィーゼル演じるルカの目を通して、ローマ皇帝ネロによる激しい迫害の中、獄中から非暴力の愛を叫び続けたパウロの生き様を描く。 パウロを演じるのは、「アトミック・ブロンド」(17年)などに出演している英国人俳優ジェームズ・フォークナー。ポスターには、まっすぐな眼差しで見つめるパウロ(フォークナー)とルカ(カヴィーゼル)の2人が写っており、その下には「人間に自由をもたらすのは、武力か?愛か?」と問い掛けるコピーが添えられている。
現在、ヨルダンの首都アンマンで難民生活をするイラク人のファディルさん(仮名、右)(写真:リード・ザ・ウェイ) 視聴覚障がいのあるイラク人男性が、オーディオ聖書を用いて、聖書を87章も暗記したという。 聖書の87章を暗記したのは、現在、ヨルダンの首都アンマンで難民として暮らしているファディルさん(仮名)。重さわずか約65グラムと、スマートフォンよりも軽くて小さい太陽光発電式のオーディオ聖書「ナビゲーター」を愛用している。 米国の伝道団体「リード・ザ・ウェイ」(LTW)が贈ったもので、ファディルさんの元を訪ねたLTWのデイビッド・ボトムズさんは、ファディルさんと話すことで謙虚な気持ちにさせられたと言う。 「とても頭が下がりました。私たちが暗記するのはせいぜい2つか3つの節ですが、ファディルさんは聖書を何章も覚えていたのです。ファディルさんは、明けても暮れても聖書を黙想しているのです」 またLT
日本聖書協会が発行する日本語訳聖書「新共同訳」が、世界中で使用されている無料の聖書アプリ「YouVersion(ユーバージョン)」で利用できるようになった。「新共同訳」を利用するには、インターネットへの接続が必要だが、音読機能もある。また、ユーバージョンのウェブサイト「bible.com」でも章単位で本文を読むことができ、音声による再生も可能。 ユーバージョンは、ダウンロード数が3億を超える人気の聖書アプリ。24日現在、1204言語1711訳の聖書をすべて無料で利用できる。日本語ではこれまで、著作権の保護期間が終了した「口語訳」(アプリ上の表記名「Colloquial Japanese (1955)」と表記)と、現代人にも分かりやすい言葉で意訳された「リビングバイブル」の2つの訳が提供されていた。今回は「新共同訳」の他に、同協会が直接提供する「口語訳」(同「Japanese: 聖書 口語訳
1月26日より全国で公開されるキャスリン・ビグロー監督の新作「デトロイト」を一足先に試写会で鑑賞した。ビグロー監督といえば、2009年にアカデミー作品賞を「ハート・ロッカー」で受賞し、2013年にはオサマ・ビンラディン暗殺計画の裏側を描いて話題となった「ゼロ・ダーク・サーティ」を世に送り出した社会派女性監督である。 そのビグロー監督が今回扱った題材は、1967年7月23日にデトロイトで勃発した一連の暴動とその後に起こった「アルジェ・モーテル事件」。その顛末(てんまつ)を事件の当事者の証言から再現した社会派ドラマが本作である。しかし、単なる「歴史的事件」として描かれてはいない。いわれなき暴力と不条理な世界像を、あくまでも体験者の目線で描き切っている。本作は60年代の米国にとどまらず、現トランプ政権下での人種間差別の高まりに対する明確な警鐘ともなっている。 後に「デトロイト暴動」として事件化さ
プロテスタントのキリスト教会で、社会福祉団体でもある救世軍が、英米の両国でキリスト教慈善団体としては最も規模が大きいことが明らかになった。 英国の慈善団体に関する情報を発信する「チャリティー・ファイナンシャルズ」(英語)によると、救世軍の英国内の社会福祉部門である「救世軍トラスト」の2016年の収入は、2億900万ポンド(約319億円)で、2位のクリスチャン・エイドの1億700万ポンド(約163億円)を2倍近く上回った。また、国際部門である「救世軍国際トラスト」は5900万ポンド(約90億円)で8位だった。 この他、3位はメソジスト独立学校トラスト(1億ポンド=約152億円)、4位は英国ワールド・ビジョン(9500万ポンド=約145億円)、5位はティアファンド(7200万ポンド=約110億円)だった。また、英国の上位10位のキリスト教慈善団体の年間の収入を合計すると、5億2千万ポンド(約7
日本基督教団統一原理問題連絡会主催の統一協会問題日韓教会フォーラムで、日本側は、韓国で統一協会の合同結婚式に参加した後、行方不明になった日本人女性6500人の捜索を韓国教会に要請した。韓国教会側は教団と団体が協力し、問題解決に積極的に対処していくことに合意した。 韓国教会百周年記念館で18、19日開催された統一協会問題日韓教会フォーラムで、日本の統一協会被害者家族の会関係者は「合同結婚式のために韓国に出国した日本人女性らと連絡が途絶えた状況」と述べ、韓国教会の積極的な協力を要請した。 19日参加した日本キリスト教会側と韓国キリスト教会側は、6500人のための相談窓口を開設し、被害者発見時には、日本の教会へ導くこと、さらに今後も徹底した情報交換によって統一協会の対処法を両国キリスト教界が合同で模索することに意見を合わせた。 また、参加者らは、統一協会の韓国ヨス市浸透問題に関しても、積極的な対
エルサレムの旧市街地にある「神殿の丘」。紀元前10世紀ごろに、イスラエルのソロモン王が神殿を建てた場所で、神殿は破壊と再建を繰り返し、現在も残っている西側の外壁は「嘆きの壁」と呼ばれてユダヤ教の聖地となっている。(写真:Andrew Shiva) 米国のドナルド・トランプ大統領は6日、ホワイトハウスで演説し、公式にエルサレムをイスラエルの首都と認め、米国務省に対しテルアビブにある米大使館をエルサレムに移転する手続きを始めるように指示したと表明した。 これまでもエルサレムを首都としてきたイスラエルは、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がこれを歓迎する意向をテレビ放送で表明。一方、英国やフランス、トルコ、国連、またヨルダンやサウジアラビアなどの中東諸国と世界の多くの国々は、一斉に強い懸念と非難を表明した。 エルサレムの首都認定に対する見解が異なるのは、政治指導者の間だけではない。米国の福音派指導者の間
1549年にキリスト教が伝来してから今日まで、なぜクリスチャンでない日本人が毎年、クリスマスで大騒ぎするのか。当時のクリスマスの様子を伝える書物、新聞や雑誌の記事などを丹念にたどりながら、その謎に迫ったのが本書。 著者の堀井憲一郎氏は、吉野家の店舗ごとに牛丼のつゆの量が違うなど、ユニークな発想に基づいた調査をする「何でも調べるフリーライター」。著書に、『ホリイのずんずん調査 かつて誰も調べなかった100の謎』(文藝春秋)、『東京ディズニーリゾート便利帖』(新潮社)、『若者殺しの時代』(講談社現代新書)などがある。 「『クリスマスの馬鹿騒ぎ』は明治時代から始まった。・・・20世紀の日本にはいつでもクリスマスがあった。しかし、その歴史を通して語った日本人はいない。いたとしても見つけられない。キリスト教徒ではない日本人が、キリスト降誕祭(クリスマス)に大騒ぎをするのは、日本人ならではの知恵なのだ
中世・ルネサンス音楽研究の第一人者で立教大学名誉教授の皆川達夫さん(90)が11日、「かくれキリシタンの祈りの歌」と題した公開講演会(主催:立教大学キリスト教学会、文学部キリスト教学科、キリスト教学研究科)に登壇。キリスト教と音楽、そして隠れキリシタンに歌い継がれてきた「オラショ」について、集まった140人余りの聴講者を前に講演した。 「キリスト教と音楽のつながりは深い。教会には常に音楽があり、また音楽の歴史を語るとき、キリスト教は切っても切れない存在だ」と皆川さんは言う。「例えば、バッハやシューベルト、モーツァルトも優れた宗教音楽を残している。それはなぜか」。そう問い掛け、キリスト教会において音楽が重視されてきた背景をひもといた。 多くの宗教は、見えない神を何とか視覚的に捉えようと、仏像や仏画などを作る。また、海や山、木などに神が宿っているとして、それを拝むことによって神の存在を確かめる
世俗化が進むニュージーランドで、会期中の議会の開始前にささげる祈りから、イエス・キリストの名が削除されることになった。 祈りの改定についてはまだ協議期間中だが、ニュージーランドの公共ラジオ放送RNZ(英語)は9日、新任されて間もないトレバー・マラード下院議長が、改定が見込まれている新しい祈りを使用したと報じた。マラード議長は、新しい祈りに対する反応を考慮して正式な決定をすると話している。 従来の祈りは、イエスの名や、英国の旧植民地であるニュージーランドでも女王とされている英女王エリザベス2世について言及している。 「全能なる神よ、万事における汝(なんじ)の導きの必要性を謙虚に認め、私的かつ個人的利益をすべて放棄し、汝の聖名の栄光のため、また真の宗教と正義の維持のため、女王の誉(ほま)れのため、そしてニュージーランドの公的福祉と平和と安寧のために、われらが議事と国事を行えるよう、われらの主イ
たとえ祈っても、クリスチャン、しかも日曜日に教会で礼拝をささげているクリスチャンの命を守ることができないのであれば、神に祈ることは無駄なのか――。米テキサス州サザーランドスプリングスの教会で26人が死亡する銃乱射事件が発生した後、ソーシャルメディア上でそんな議論が起こり、著名な牧師たちも応答した。 事の発端は、名作映画「スタンド・バイ・ミー」(1986年)や米テレビドラマ「新スタートレック」などに出演したことで知られる米国人俳優ウィル・ウィトン氏(45)のコメントだった。事件を受け、カトリック信徒であるポール・ライアン米下院議長(共和党)は犠牲者や遺族のために祈りをささげたが、ウィトン氏はツイッターに次のような批判的なコメントを投稿した。 「殺害された犠牲者たちは教会にいた。もし祈りで何かが起こったのであれば、彼らはまだ生きていたはず。役に立たない野郎だ」 この投稿の後、批判があったことも
正教会の聖地アトスは、原始キリスト教の伝統を最も色濃く残す、修道士の修行の地である。15世紀以降、女人禁制のため女性は「入国」できず、男性の修道士のみが居住している。『孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス』(新潮社)は、日本人として初めて聖山アトスを公式に撮影し、そこでの体験を綴(つづ)った写真紀行である。 「ギリシャ」という国は、私たち日本人にはよく知られた国である。オリンピック発祥の地であること。古代のポリス社会については民主制発祥の地として中学校の歴史の教科で知る機会がある。古代遺跡の数々、神殿や円形劇場、体育施設などの建築物。そして、哲学、文学、芸術の分野における偉業など、これらはみな、われわれ日本人が持っている「ギリシャ」のイメージである。 確かにアテネを訪れれば、パルテノン神殿の偉容に目を奪われるし、古代劇場で上演されるギリシャ悲劇に熱狂するギリシャ人たちを目にすれば、古代ギリ
合意声明に署名するコプト正教会のダミエット府主教(中央左)とウェールズ聖公会のセントアサフ主教グレゴリー・キャメロン(中央右)=10月26日、アイルランド・ダブリンのクライストチャーチ大聖堂で(写真:Lynn Glanville / Dioceses of Dublin and Glendalough) 聖公会と東方諸教会の神学者らが10月26日、アイルランドの首都ダブリンにあるクライストチャーチ大聖堂(アイルランド聖公会)で会合を開き、聖霊論に関する歴史的な合意声明に署名した。 両者の代表者が署名したのは「聖霊の発出と働き」(原題:The Procession and Work of the Holy Spirit、英語)と題した声明。2015年に英ウェールズで開催された聖公会・東方諸教会国際委員会(AOOIC)の会合で至った最終合意の内容を文章化したもので、同委がこれまで2年にわたって
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