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「血のバレンタイン」 2017年2月14日は、東芝関係者の間で、長くそう記憶されることだろう。 この日、東芝は、米国原発サービス子会社の減損損失額は、7125億円になったと発表した。 自己資本3600億円の東芝は、そのままでは債務超過(事実上の倒産)に陥るため、唯一残った成長事業の半導体事業を分社化し、株の一部を売却する。これで東芝本体の主力事業は原発のみとなり、自力再生の可能性は限りなくゼロに近づく。 つまり2月14日は、日本を代表する名門企業、東芝が消える日なのだ。 すべてはWH買収から始まった 東芝を解体に追い込んだ原因は、2006年に6600億円を投じて買収した米原発メーカー、ウエスチングハウス(WH)を核とする原発事業の不振だ。歴代3社長が引責辞任した粉飾決算はそれを隠すための「化粧」だった。 WH買収を決めたのは当時社長の西田厚聰。実際の交渉に当たったのは当時、原子力事業の担当
東芝の不正会計問題で、2014年3月期までの3年間で400億円規模にのぼる決算の粉飾をした疑いがあるとする調査結果を証券取引等監視委員会がまとめたことが関係者への取材でわかった。監視委は、歴代3社長が不正会計に関与した疑いが強いとみている模様だ。 監視委はこれまでも刑事告発の意向を示したが、昨年7月に東京地検から「立件は困難」との意見を伝えられたため、歴代3社長ら関係者を任意で聴取するなどしてさらに調査を進めた。その結果は退任した佐渡賢一・前委員長の下でまとめられ、12月に就任した長谷川充弘委員長に引き継がれた。他の委員2人も交代したため、新体制で改めて精査した上で方針を決め、検察に調査内容を報告するとみられる。 調査結果で問題視されているのは、佐々木則夫氏が社長だった12年3月期と13年3月期、田中久雄氏が社長だった14年3月期のパソコン部門の会計処理。関係者によると、利益が出ていないの
東芝の不正会計問題が重大な局面を迎えた。11月18日付の日本経済新聞によると、証券取引等監視委員会は11月中にも、東芝に70億円超の課徴金を課すよう金融庁に勧告する方向で最終調整に入った。 日経ビジネスは11月16日号で東芝が2006年に買収した米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)で巨額の減損が発生していたことを報じた。子会社単体では2年連続で赤字に陥っていたが、本誌(日経ビジネス)が指摘するまで東芝は事実を開示していなかった。 問題はそれだけではない。東芝経営陣と第三者委員会の謀議によって、米原子力子会社の巨額減損が不正会計の調査対象から外されていた。 不正と決別し、再生に動き出したはずの東芝。だが今も、社外取締役は巨額減損問題の蚊帳の外に置かれている。本紙はこうした東芝の隠蔽体質を浮き彫りにする、幹部間の電子メール記録を入手した。 本誌報道を受けて、東芝は11月17日にWHの減損に
株式会社東芝(以下「同社」という。)は、工事進行基準に係る会計処理について調査を要する事項が判明したため本年4月3日に特別調査委員会を設置し、さらに工事進行基準に係る会計処理以外にも範囲を拡大して調査を要する事項が判明したため5月22日には第三者委員会にその調査を委嘱しました。 この第三者委員会による調査が7月中旬まで行われる見通しであったことから、同社は平成27年3月期の有価証券報告書に係る提出期限を6月30日から8月31日に延長することについて、関東財務局長に申請し、承認を受けました。 同社は、7月20日に第三者委員会より受領した不正会計に関する調査報告書に基づき過年度決算の訂正作業を進めていましたが、その後さらに複数の子会社において会計処理の適切性について調査を要する事項が判明したこと等から、平成27年3月期の有価証券報告書に係る提出期限を9月7日まで再延長することについて申請し、承
8月27日木曜日、東芝特集取材班は刷り上がったばかりの「日経ビジネス」8月31日号を携えて、東京・浜松町の東芝本社を訪れた。 「東芝 腐食の原点~社員が本誌に決死の告発~」 表紙を見た東芝の広報・IR担当者は顔をしかめ、3ページ目の「編集長の視点」から始まる東芝の関連記事を丹念に読み始めた。広報担当者はときどき首を傾げ、「うーん」とうなり、前のページに戻り、15分ほどで特集を読み終えた。本を閉じると視線を上げて、こう言った。 「社内から、いろいろな情報がそちらに寄せられている、ということですね」 日経ビジネスは東芝が不正会計に走らざるを得なかった理由を探るため、広く情報を求めた。500人近くから情報が集まった。グループ会社や退職したOB・OGを含め、多数の東芝関係者からも話を聞いた。そうした現場から噴出する「悲鳴」を聞くにつれ、東芝の病巣の深さに戦慄さえ覚えたほどだ。 「くれぐれも社内で犯
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