趣味や業務などに広く使われている小型のシングルボードコンピューターが「Raspberry Pi(通称ラズパイ)」だ。2012年に最初のモデルが発売され、これまで多くのモデルが登場している。
納税者に個人住民税(地方税)の税額を知らせる「住民税決定通知書」の電子化が2024年度から始まる。これまでは勤務先の企業が、従業員の給与から住民税を差し引いて納税し、納税額を知らせる通知書を従業員に紙で配っていた。2024年度からは電子データ形式での配布も選択できるようになる。配布時期は2024年5~6月になる予定だ。 しかし新たに採用される電子配布の方法に、企業の人事担当者らからは「紙よりも不便だ」「この方法は採用できず、紙を続けるしかない」との指摘が相次いでいる。政府が採用したのは、通知書本体のPDFファイルをZIP形式で圧縮・暗号化したうえで、復号用パスワードの取得方法を記した別のPDFファイルとともに従業員に社内システムを使って配布するという方法だったためだ。配布や閲覧するうえで非常に不便だ。 政府が廃止宣言したはずの「PPAP」、国民向けサービスでは採用 しかもZIPの暗号化に強
ITエンジニアの不足が過去最悪レベルで推移している。 システム構築需要にIT業界の就業人口の伸びが追いついていない。 IT業界外への転職も含め人材争奪戦の様相を呈してきた。 SIer(システムインテグレーター)を中心に人材不足が深刻化している。ここ1年間ほど過去最悪の状態が続いている状況だ。 最大の理由は新型コロナウイルス禍で顕在化したDX(デジタル変革)需要がいまだ旺盛なため。コロナの5類移行とともに大型システムの更改プロジェクトなども再開し、どのSIerも人材が足りない状態になっている。 しかも、IT業界の就業者数が急増することはなさそうだ。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によれば、IT関連産業の従業者数は2018年の103万人から2030年には113万人へ拡大すると予測するが、DX需要の伸びに比べると追いついていない。 IT業界の人材不足は統計にも表れている。情報サービス産業
健康保険証、銀行口座、年金記録――個人のマイナンバーに別人の情報がひも付けられるトラブルが後を絶たない。多くの事案に共通するのは、自治体や関係機関の職員が氏名や生年月日などを基にマイナンバーや住民データを照会した際に、誤って同姓同名の人の情報を引き出してひも付けてしまうというケースだ。 こうした情報のひも付けをする際、職員が住民データの照合や突合、本人確認に使うのが「氏名」「生年月日」「性別」「住所」、いわゆる基本4情報といわれるものだ。 だがこの4情報は、コンピューターによる自動処理とは絶望的に相性が悪い。例えば氏名は「邊」「邉」など旧字・異体字の揺らぎや外字の処理が煩雑なうえ、婚姻による改名もある。よくある氏名の場合、氏名も生年月日も同一というケースが頻発する。住所は時期によって変わるうえ、人によって書き方が「一丁目四番」から「1―4」まで一意ではない。 こうした曖昧な識別符号を代替す
ある会合で話をしてほしいと言われた。会合の趣旨を聞くと「日本がなぜITの利用で劣後してしまったのかを考えること」と説明してくれた。演題を考えているうちに「ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国」という一言が浮かんだ。 この言葉は10年近く前、2013年12月に出版した拙著の書名である。元々は日経ビジネスオンライン向けに書いたコラムに付けた題名であり、そのコラムを同書の巻頭に再録した。 「日本企業は自社で利用するソフトのほとんどをIT(情報技術)企業に開発させているのに対し、米国企業はソフトを内製する比率が高い」「日本のソフト開発技術者の大半はIT企業に所属するが、米国のソフト開発技術者の大半はIT企業ではなく一般企業に所属している」、これがコラムの内容であった。ここでいうソフトはコンピューター上で動かすプログラムのことである。 これ自体はソフトの内製化と言われる問題だ。実は同書の主題は
2023年3月末、マイナンバーカードの申請件数は約9614万枚と人口の約76.3%に達した。政府は3月末までに「ほぼ全ての国民」への普及を目指すとしてきたが、松本剛明総務相は2023年4月4日の記者会見で「ほぼ全ての国民に行き渡らせる水準までは到達したと考えている」と表明した。 「持っていても使わない」と言われることが多かったマイナンバーカード。「ほぼ全ての国民」に行き渡ることで、「便利なカード」に進化することがますます求められるようになった。そのための鍵がマイナンバーカードの機能である「公的個人認証サービス(JPKI)」を使ったデジタル本人確認の民間サービスでの利用である。ただ、現状では多くの人が日常で使う機会はほとんどない。民間利用を後押しするためのルールが未整備なことが壁となっている。 民間サービスでのデジタル本人確認の普及に期待 「マイナンバーカードを使った本人確認を行政だけでなく
「資格なんていらないよ。それよりも愚直に目の前の業務に取り組むべきだ」。記者が20代でITの現場にいた頃、SE歴の長い先輩社員から言われた言葉だ。SNS(交流サイト)でも「資格不要論」を度々目にしてきた。同じような状況に覚えのある読者も少なくないのではないか。 特に先輩がやり玉に挙げたのは情報処理推進機構(IPA)が運営する基本情報技術者試験(FE)だ。IPA自ら「ITエンジニアの登竜門」を称するFEだが、合格していなくてもSEやプログラマー、プロジェクトマネジャーにさえなれる。IT業界には資格がなければできない独占業務は存在しないからだ。先輩の言うとおり、「FEなどいらない」のだろうか。IT業界での経験と記者として見聞きしてきた情報を基に考えてみた。 「基本情報なんていらない」は玉虫色の言葉 まず意識しておくべきは、「FEなどいらない」は発言者の立場や状況により意味合いを変える、玉虫色の
ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃の被害を2021年10月に受けた徳島県のつるぎ町立半田病院は2022年6月7日、経緯などをまとめた有識者会議による調査報告書をつるぎ町議会に提示した。 既報の通り、ランサムウエアの感染経路は米Fortinet(フォーティネット)製のVPN(仮想私設網)装置経由である可能性が高いことを、今回の調査報告書も指摘した。VPN装置の脆弱性を放置していただけでなく、病院内LANも「閉域網だから安全」という誤解のもと、マルウエア(悪意のあるプログラム)対策ソフトの稼働を止めるなどリスクの高い設定で運用していたと明らかにした。 ランサムウエア攻撃に遭った徳島・半田病院、被害後に分かった課題とは 調査報告書は半田病院のサイバーセキュリティーに関する知識不足を指摘する一方で、顧客を支援する提案をしてこなかったベンダーの不作為を強く批判した。ただ、とりわけ強く批判され
先日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)のトピックを調べるために様々な資料を漁っていたところ、現在実証実験レベルで進められている各国のCBDCプロジェクトにおいて、「オフライン決済」に関する話題に触れられていることに気が付いた。 例えば米国では、世界最大の基軸通貨である米ドルを抱えながらも、中央銀行に当たる連邦準備理事会(FRB)はCBDCへの取り組みにそれほど積極的ではなかった。だが、2020年夏にはボストン連銀とマサチューセッツ工科大学(MIT)の共同プロジェクトである「Project Hamilton」のほか、「TechLab」というCBDCの研究プロジェクトを発足させている。そして2022年3月にはバイデン米大統領がCBDCを含むデジタル資産の研究開発に関わる大統領令に署名したことが伝わっており、経済大国では中国に続く形で模索がスタートした。 このうちProject Hamilton
【4月22日 東方新報】中国で今年に入り、携帯電話の売り上げが伸び悩んでいる。中国情報通信研究院(CAICT)によると、1~2月の携帯電話出荷台数は4788万6000台にとどまり、前年同期比で22.6%減少した。春節(旧正月、Lunar New Year)シーズンの1~2月は、紅包(お年玉)をもらった学生がスマートフォンを買ったり、帰省した若者が親に新品を買い与えたりなど、例年なら購入台数が増える時期。それを見込んで携帯各社は新モデルを発表してセールスをかけるだけに、今年の冷え込みは異例だ。 新型コロナウイルスが国内で再燃していることや半導体不足の影響もあるが、専門家は「今すぐ買い替えたいと思うほどの技術革新がないことが大きい」と指摘する。データの移行やアプリの再ログインが面倒なため、「バッテリーの寿命が伸びた」「急速充電」程度のセールスポイントでは買い替え意欲を刺激しないという。実際、ユ
5Gで企業のデジタル化が進むと言われて久しいが、商用サービス開始から2年が経過してもなお、企業の5G活用は実証実験レベルにとどまるものが大半で、現場での活用があまり進んでいない。企業が5Gを本格活用する上で不足している要素は一体何なのだろうか。 実証実験は活況な5Gの法人活用 5Gの商用サービスが始まっておよそ2年が経過した。かねて5Gは、遠隔操作などに役立つ低遅延や、IoTの活用を進める多数同時接続などの機能を持つことから、どちらかといえばコンシューマー向けよりも企業での活用のほうが注目を集めてきた。 それだけに、5Gの企業活用に向けた取り組みは活発に進められている。とりわけ日本では少子高齢化による労働人口の減少が大きな社会課題となっているだけに、作業の自動化や遠隔作業など、5Gの性能を生かしたデジタル化ソリューション開拓に取り組む企業や自治体は増えており、導入に向けた実証実験は盛んに進
機械工具卸売業のトラスコ中山は、「在庫は悪」という考えの真逆を行く在庫戦略で成長を遂げている。約3000社の製品を取りそろえて即納するという他社にはないサービスが多くの顧客を惹きつける。「在庫は成長のエネルギー」と力説する代表取締役社長の中山哲也氏に話を聞いた。(聞き手は岩野 恵、高市清治、中山 力) 生産現場で必要な商品をすぐに届けられるよう、幅広い商品をとにかく置いて、置いて、置きまくろう。そういう方針で会社を経営しています。現在、在庫として持つ商品は約50万アイテムあります。50万アイテムというのは半端ではない数字だと自負しています。商品を買う側からすると、トラスコとつながるだけで、50万アイテムの商品を即納してもらえる。こんなに便利な会社は他にありません。 我々の在庫戦略は、マーケティング用語の「ロングテール」に該当すると言われることがあります。直訳すると長いしっぽですね。例えば、
特定ベンダーがつくり込んだシステムから抜け出せない「ベンダーロックイン」問題。行政機関のシステム調達で同問題が根強く残っている現状の改善に向け、公正取引委員会が国や地方自治体に働きかけを始めた。公取委は2022年2月8日に公表した報告書で実態を明らかにしたうえで、既存ベンダーが他社の参入を妨害するなど独占禁止法に抵触する禁止行為を初めて例示した。 公取委は報告書の中で、ベンダーの反競争的行為があれば摘発するとしている一方、発注側である行政機関にも原因があると主張している。報告書ではデジタル人材の育成など行政が取り組むべき課題もまとめた。公取委の有識者会議(意見交換会)にはデジタル庁もオブザーバーとして参加しており、公取委は同庁が主導的な役割を果たすよう期待している。 だが、そのデジタル庁ですら、2021年9月の発足から競争入札が十分に機能せず既存ベンダーへの依存が続く実態が日経クロステック
新型コロナウイルス感染症対策の1つとしてテレワークが推奨されるなか、テレワークで担当業務をこなせる社員に対して出社勤務を強いる、いわゆる「強制出社」をする企業が、2021年9月に緊急事態宣言が解除されて以降、増えている。今は「第6波」の渦中で、変異株は強い感染力を持つ。こうした背景から政府は感染拡大防止のため、テレワークの実践を呼びかけているが、こうした企業は今も社員に出社を求めている。 「宣言解除後に多くの企業で、久しぶりにメンバーがリアルにそろい、経営・マネジメント層が出社の良さを改めて実感している。この結果、不要な出社が増えている」。テレワークの動向に詳しいパーソル総合研究所(パーソル総研)の小林祐児上席主任研究員はこう指摘する。 緊急事態宣言の解除後は東京の職場に人が戻った テレワーク解除の動きはデータが示している。パーソル総研は、米Google(グーグル)が公開する様々な地域や場
自分の個人情報が企業内でどう管理されているかが見えず、不愉快な体験をしたことはないだろうか。2022年4月はこうした状況が変わる契機になりそうだ。個人の権利を広げた改正個人情報保護法が施行されるからだ。 退会後も会員情報が残る不都合 筆者の経験では、サービスを退会したはずなのにその運営元企業が個人情報を長く保持しているらしい状況に何度か出くわした。例えば、退会から1年以上はたっているサービスから、顧客情報が漏洩した可能性があるメールの通知を受け取ったことがあった。サービス運営元はユーザーが退会後も、その会員情報の少なくとも一部は長く保持していたようだ。 幸いそのサービスではメールアドレス以外はたいして重要な情報は登録しておらず、特に運営元に問い合わせはしなかった。退会後に漏洩の可能性を知らせた点だけは評価したいが、運営元への強い不信感は持った。 退会手続きを取っても個人情報が明らかに保持さ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く