「ココイチ」の愛称で知られる「カレーハウスCoCo壱番屋」が12月1日、今年2回目の値上げに踏み切った。運営会社の壱番屋は原材料や輸送費の高騰を受け客単価の上昇を図るが、新型コロナウイルス禍で減少した客数が戻っていない。2023年2月期の連結営業利益は30億円と、過去最高だった20年2月期の6割にとどまる見込みだ。コロナ禍の影響を抜け出す外食チェーンもある中で、試練を迎えている。ココイチは19
カレーハウスCoCo壱番屋(以下ココイチ)は、定期的に「美味しくない割に高い」と話題になる。そのたびに哀しい。ほとんど腹を立てているくらいの気持ちになっている。ココイチに対して私は冷静な評価はできない。 そうした気持ちがどこから来るのかを一度整理して片付けておく。 「自分のもの」という感覚 家庭料理や自国料理をよその人に貶される感覚に近い。自分で文句を言うのはいい、だが他人に言われるのは許せない、というような感覚。 よく「まずい料理代表」とネタ扱いされるイギリス料理も、最近はその揶揄が「ダサい」と否定されてきている気がする。 世界に先駆けて産業革命に突入したことで食文化を不可逆的に破壊されたイギリスを、後追いで産業革命を短期に圧縮できたことで食文化を維持できた日本が、嘲笑できる立場にあるのだろうかという疑いもある。 そんな切実な背景がココイチにはないとしても、尊重されれば嬉しい。私は美味し
変調のきっかけとなった「値上げ」 「ちょっとトッピングしただけで、1000円の出費は痛い……」。そんな声が至る所で聞かれるようになったカレーチェーン最大手の「カレーハウスCoCo壱番屋」(以下、ココイチ)だが、ここへきて深刻な“客離れ”が現実味を帯び始めている。 運営する(株)壱番屋が2月4日に発表した『2020年1月度月次情報』によれば、全店の売上高は100.3%(前年同期比)とほぼ横ばいとなった一方、既存店の客数は98.4%(同)と減少していることが明らかになった。 ココイチの既存店の客数減は、今に始まったことではない。期初となる2019年3月度から2020年1月度にかけての11ヵ月のうち、対前年同期比でマイナスとなった月は、実に8ヵ月にも及んでいる。 ココイチが変調をきたした契機とされているのが、2019年3月1日に行われた「値上げ」だ。 そもそも、ココイチはこれまで、食材や人件費の
「カレーハウスCoCo壱番屋」のHPより 「ココイチ」の愛称で親しまれている大手カレーチェーン店「カレーハウスCoCo壱番屋」が、今ピンチに陥っている。2023年2月期の連結営業利益見込みは30億円にとどまっており、この数字は過去最高を記録した20年2月期のわずか6割程度となっている。そんな同チェーンは、昨年12月1日に同年2回目となる値上げを行っており、ネット上では「ココイチって高いイメージがあるのにまた値上げか……」といったネガティブな受け止められ方も散見されているのだ。 そこで今回は、飲食店コンサルティング会社・飲食店繁盛会の代表としてさまざまな飲食店の売り上げアップに尽力してきた笠岡はじめ氏に、ココイチ低迷の原因について解説してもらう。 年に2回、ココイチが行い続ける値上げ姿勢 ココイチの業績が落ち込んでしまった原因はなんなのだろうか。 「私が作成しているデータによると、コロナ禍前
1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter → https://twitter.com/ogurapunk CONTACT → https://k-ogura.jp/contact/ 「超一流」の流儀 ビジネス界を中心に各界の「超一流」の言動にスポットを当て、ビジネスパーソンの仕事に生かせる「超一流ならではの流儀」をお届けする。 バックナンバー一覧 カレーハウスCoCo壱番屋で働く22歳のアルバイトが、ココイチのフランチャイズ店を25店舗経営する「スカイスクレイパー」の新社長に抜擢され、大きな反響を呼んでいる。決して「安い」とは言えないココイチだが、なぜここまで繁盛しているのか? ココイチに息づく店舗経営のキモを
カレーハウスCoCo壱番屋が11月6日から販売している「ホロ肉ドカンと豪快カレー」(以下「肉塊カレー」)が、とんでもない“肉塊”と話題です。頬張りたい……! ホロ肉ドカンと豪快カレー すごい肉塊ぶり このカレーは、2023年4月に「ナナシカレー」として期間限定・店舗限定で販売したもの。販売と同時に公式サイトで開催した「新メニュー名総選挙」でユーザーの投票により正式な名前が決定した限定メニューですが、メニュー名が決定するより早い約2週間で完売していました。 名称決定前に完売していました 肉塊カレーは、注文時に肉の量を選択する「肉塊オーダー制」を採用。4月の販売時はレベル1~3まででしたが、再販に当たりレベル4が追加されています。 レベル4はレベル1の約2.5倍の量 この肉塊レベル4がかなりとんでもないことになっており、SNS上では注文した写真が注目を集め拡散されています。まさに“肉塊”という
将棋界の“カレーの王子様”斎藤慎太郎八段、「カレーハウスCoCo壱番屋」を語る 父はフランチャイズ加盟店のオーナー 将棋界における食事は「将棋めし」としてファンのお楽しみコンテンツの一つになっているが、もしカレーについて聞くとすれば斎藤慎太郎八段(26)は外せない。カレー好きと言えば、十八世名人の有資格者・森内俊之九段(49)が有名だが、斎藤八段は父親が大手チェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」のフランチャイズ加盟店のオーナー。まさに将棋界の“カレーの王子様”だ。現在、大阪・福島の将棋会館では、CoCo壱番屋からも注文が取れるようになっているが、斎藤八段のおすすめは何か。ABEMAの将棋中継で解説を務めた際に語っていた内容を振り返る。 斎藤八段が解説を務めたのは、藤井聡太七段(17)と菅井竜也八段(28)がタイトル挑戦に向けて激闘を繰り広げた3月31日のヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント
2016年1月11日、愛知県内のスーパー「Aマートアブヤス神守店」で冷凍食品コーナーを眺めていた女性の視線が、見慣れたパッケージの商品を捉えた。 「あれ。これ、なんで売られてるんだろう」。 油で揚げて調理する前の牛肉の冷凍カツが5枚、透明の袋に詰められていて、オレンジ色の文字で「ビーフカツ」と印字されている。何の変哲もない商品だが、女性には見覚えがあった。女性は「CoCo壱番屋」フランチャイズ店でパートタイマーとして働いていたが、そのパッケージは、本部から同店に配送され、店内で調理して顧客に提供する社内流通の製品にそっくりだった。もしそうだとしたら、本来、消費者向けに販売されるものではない。スーパーの店頭に並んでいるのはおかしい。 女性はすぐに店長に連絡。この情報は、同店長を経由し、あらかじめ決められたルートですぐに壱番屋の本部にもたらされた。同社が店頭で販売された現物を入手して調べたとこ
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