約1300頭の近江牛を飼育する「亀井牧場グループ」の亀井頌司さん=滋賀県近江八幡市大中町で2020年5月21日、村瀬優子撮影 日本3大和牛の一つ「近江牛」の農家が新型コロナウイルスの影響で深刻な打撃を受けている。世界的な外出自粛の影響で需要が落ち込み、「出荷しても赤字」の状態が続く。国の補助制度は十分と言えず、近江牛のブランド価値を高めようとする新たな動きも出てきた。 「餌代だけで月2000万円以上かかる。経営は非常に苦しい」 近江八幡市で最多の約1300頭を飼育する「亀井牧場グループ」の代表、亀井利次さん(64)は話す。近江牛は高級レストランやホテルなどで消費される傾向が強い。訪日観光客の激減や営業自粛のあおりで、枝肉相場は低迷が続いている。