実家が空き家になり、処分できない、管理の費用がかさむ――。こんな悩みが増えている。家の「終活」と、どう向き合えばいいのか。 茨城県つくば市の50代女性は数年前、千葉県内の実家をどうするか、頭を悩ませていた。父親が他界し、残された母親が高齢者施設で生活することになって、空き家になったためだ。 女性は、父親が生前、岩手県内の祖父母の空き家の管理に苦労していたのを間近で見ていた。固定資産税や庭木などの管理費、定期的に換気に行く手間や交通費など、負担が大きい。「早めに処分したいと思った」と振り返る。 当初、母親は家財へのこだわりが強く、自ら進んで実家をたたむ気になれないでいた。女性の弟が説得を続けると、「迷惑をかけたくないから」と売却を承諾してくれた。「一番のハードルは越えた」と感じた。 思いのほか大きかったのが…