刀匠・松田次泰氏が、奥深い日本刀の世界を語る。そこには、日本刀ならではの美術品的価値や、鎌倉時代の刀を目標にしてそこに挑んできた苦労など、刀匠だからこそ尽きない想いがある。(全3話中第2話) ≪全文≫ ●日本の美術品が持つ思想・哲学を外国人が評価できるのか 質問 外国製の刀が日本に入って来るという問題に対して、日本刀を海外に打って出るということも多分に考えられます。日本刀を外国に出す意味について、どのようにお考えになっていますか。 松田 そのあたりにまた1つ問題があるのです。外国で評価されたものが逆輸入されたら日本でも評価されますよ、と皆が言うのです。でも、実はそんなに簡単なものではありません。外国でできた芸術品は、外国で評価されると日本でも簡単に評価されます。ところが、日本でできた美術品を外国人がいくら評価しても、日本で評価されるとは限らないのです。 そこに何が問題としてあるかというと、