昨年10月2日、58歳で急逝した津原泰水さん最後の長編『夢分けの船』が、株式会社河出書房新社(東京都渋谷区/代表取締役小野寺優)より2023年10月12日に刊行となります。 四国から東京へ。 映画音楽の勉強のため、専門学校へ通うこととなった修文(よしふみ)は、引っ越し先・風月荘704号室にまつわるある噂を聞く。 「出るよ、茲(ここ)」――久世花音(くぜかのん)……かつて修文と同じく「音楽」という「夢」を追い続け、ある日、自らの命を絶った3代前の住人の幽霊の話を。 “かのん”が影を落とす部屋から始まる、切なくも美しい青春の物語。 舞台は現代、文体は明治・夏目漱石(新仮名)という挑戦。執筆開始から15年・530枚の長編小説 『夢分けの船』について、生前、津原泰水さんはTwitter(現X)で次のように書かれています。 〈『夢分けの船』は嘗て河出書房新社のウェブサイトに連載していた青春小説の完成