ブックマーク / saavedra.hatenablog.com (2)

  • 近代仏教学のつくりあげた「ブッダ神話」を解体しブッダの実像に迫る好著『ブッダという男』 - 明晰夢工房

    ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) 作者:清水俊史 筑摩書房 Amazon 19世紀以降、仏教研究は初期仏典を批判的に考察することで、「歴史のブッダ」を復元しようと努めてきた。瞬間移動や空中浮遊など、超常能力を用いる「神話のブッダ」にかわり、多くの仏教学の碩学によりさまざまなブッダ像が描かれてきた。だが書によれば、それらのブッダ像もまた現代人の価値観が投影されたものだという。ブッダは平和主義者であったり、男女平等論者であったり、不可知論者であったといわれることがあるが、こうしたブッダ像は研究者が自分の願望をブッダに語らせたものであり、「新たな神話」だというのだ。書はこうした「新たな神話」から離れ、初期仏典を虚心坦懐に読むことで、「ブッダという男」が何を説いたかを解きあかしていく。ここで見えてくるブッダ像は、現代人のイメージする理想の人格者とは異なる面も多い。 たとえ

    近代仏教学のつくりあげた「ブッダ神話」を解体しブッダの実像に迫る好著『ブッダという男』 - 明晰夢工房
  • 【書評】ブッダになれるのは一部の「能力者」だけか、それとも全員なのか?師茂樹『最澄と徳一 仏教史上最大の対決』 - 明晰夢工房

    最澄と徳一 仏教史上最大の対決 (岩波新書 新赤版 1899) 作者:師 茂樹 岩波書店 Amazon 仏教というより高度な論理学のを読んだような、不思議な読後感が得られる一冊だった。書『最澄と徳一 仏教史上最大の対決』は、タイトル通り最澄と徳一の論争について解説してるが、ここでの争点は大ざっぱにいうと「人は誰でもブッダになれるのか」だ。最澄は一乗説(=衆生はいずれ皆ブッダになる)、徳一は三乗説(=ブッダをめざす道である菩薩乗と阿羅漢をめざす声聞乗・独覚乗が併存する)の立場である。大乗仏教の究極目的は「ブッダになること」なので、人がブッダになれるかどうかは一大問題だ。だからこの点について見解の相違があれば、大論争に発展する。 最澄と徳一の論争を理解するためには、最低限の仏教思想史をおさえておく必要がある。このため、書の「はじめに」では最澄の時代にいたるまでの大乗仏教思想史が簡潔に説明

    【書評】ブッダになれるのは一部の「能力者」だけか、それとも全員なのか?師茂樹『最澄と徳一 仏教史上最大の対決』 - 明晰夢工房
    kutsushita1000
    kutsushita1000 2021/12/08
    最澄の主張がより大乗仏教的といえようか。
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