荒木飛呂彦の『ジョジョリオン』が完結しました。足かけ11年の連載で、全27巻。『ジョジョの奇妙な冒険』の第8部で、シリーズ中最大の長編になりました。前7部にも増して、類を絶するアクロバティックな画風で、複雑怪奇な冒険談をくり広げています。 舞台は、東日本大震災後の仙台市内と思われる杜王町(もりおうちょう)。震災で地面に帯状の土地が隆起します。この土地には、『ジョジョ』シリーズで「スタンド」と呼ばれる、人間の超絶的な能力をひき出す秘密があるようなのです。 この土地のなかから、記憶を失ったひとりの青年が発見され、杜王町の名家でフルーツ専門店を営む東方(ひがしかた)家にひき取られ、東方定助(じょうすけ)と名づけられます。 『ジョジョリオン』の前半は、主にこの東方定助の正体が何かという謎をめぐって展開します。このミステリーに、さまざまなスタンド能力をもつ登場人物が次々に絡み、多彩な過去の因縁が暴か