別の店舗から訪れた従業員と談笑する茂木孝夫さん(左)=さいたま市北区のテンポスバスターズ大宮店で2024年6月7日、山下貴史撮影 岸田文雄首相は11日、首相官邸で開いた経済財政諮問会議で「意欲のある人が年齢・性別にかかわらず、自由で柔軟に活躍できる社会を構築していく」と強調し、高齢者らの労働参加の拡大の必要性を訴えた。骨太原案にも「高齢者の労働参加率の上昇ペース継続が必要」とした。政府には、2030年代に生産年齢人口(15~64歳)の減少の加速が見込まれる中、22年に912万人と過去最多を更新した65歳以上の就業者数の拡大が急務という意識がある。 政府の動きに先んじている現場もある。業務用の厨房(ちゅうぼう)機器を買い取り販売する「テンポスバスターズ」(東京都大田区)は、事業拡大による人手不足から、年齢や性別、経歴にとらわれずに採用を続けた結果、60歳以上の社員が増加し、05年に定年制を廃