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成功しかけた断酒はもろくも崩れた。家族からの絶縁、体をむしばむ病魔…死の宣告。「最期くらいいいものを」。男はファミレスで6時間、好物をむさぼり続けた。逮捕の直前まで…〈法廷傍聴記〉 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞
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成功しかけた断酒はもろくも崩れた。家族からの絶縁、体をむしばむ病魔…死の宣告。「最期くらいいいもの... 成功しかけた断酒はもろくも崩れた。家族からの絶縁、体をむしばむ病魔…死の宣告。「最期くらいいいものを」。男はファミレスで6時間、好物をむさぼり続けた。逮捕の直前まで…〈法廷傍聴記〉 男は人生に絶望していた。「最期にいいものを食べよう」。3月29日午後、千鳥足の男は鹿児島市のファミリーレストランに入ると、ビールや丼、揚げもの、これまで我慢していた好物を片っ端から注文。6時間以上、欲のままむさぼった。 長居を不審に思った店員が声をかけると、「お金を払えません。警察を呼んでください」と打ち明けた。警察官が駆けつけた後も、詐欺(無銭飲食)の疑いで現行犯逮捕される直前まで食べ続けた。8520円分の注文に対し、所持金は259円だった。 5月の初公判。男の生い立ちが明かされた。細身の白髪頭で、はっきりと氏名、生年月日を述べる男に鹿児島弁なまりはない。長崎で生まれ育った60代が、縁もゆかりもない鹿児島に単