2023年10月には、金沢大学がキャンパスのトイレ改修費用がないため、クラウドファンディングでその資金を募集するまでに追い込まれている(写真:hap/PIXTA) 本来であれば格差問題の解決に取り組むべきリベラルが、なぜ「新自由主義」を利するような「脱成長」論の罠にはまるのか。「令和の新教養」シリーズなどを大幅加筆し、2020年代の重要テーマを論じた『新自由主義と脱成長をもうやめる』が、このほど上梓された。同書にゲスト参加している古川雄嗣氏が、「大学改革」の視点から新自由主義の問題点を論じる。 【グラフを見る】大学授業料と民間企業の平均月収 ■日本の研究力を低下させた「大学改革」 中野剛志氏らの新著『新自由主義と脱成長をもうやめる』が、このほど刊行された。 新自由主義がいかに我が国の国力を破壊してきたかを、さまざまな角度から論じるとともに、表面的には新自由主義を批判しているリベラル・左派の