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ブックマーク / cruel.hatenablog.com (6)

  • オーウェル『1984年』全訳完成 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Big Brother is Watching YOU!!! 2023年の年頭に宣言した通り、オーウェル『1984年』の全訳をあげました。 genpaku.org html版と、pdf版があるので、まあお好きに。当然、クリエイティブコモンズなので、自由にお使いください。個人的にはいま出版されているどの翻訳よりもいいとは思うが、それは趣味もあるでしょう。商業出版したいとかいうところはあるかなー。なければ自分で電子ブックでも作って売ろう。 追記:商業出版したいというところが出てきたので (まだ確定ではありません) 、いまのうちにダウンロードしたりあちこちにばらまいたりしておくといいと思うぞ。(11/28) ビッグ・ブラザーのポスターでもトップにかざろうかと思ったけれど、みんなおどろおどろしいものばかりで、小説の記述に即したニュートラルなものがあまりないので少しびっくり。 訳していて、いろいろ含

    オーウェル『1984年』全訳完成 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    aceraceae
    aceraceae 2023/11/25
    マイケル・ラドフォード監督が映画化したものは大好きで盤ももってるけど原作ちゃんと読んでないんでこれを機会にじっくり読みたい。
  • オーウェル『1984年』序文からわかる、ピンチョンのつまらなさとアナクロ性 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary トマス・ピンチョンのオーウェル『1984年』序文は、まったく構造化されず、思いつきを羅列しただけ。何の脈絡も論理の筋もない。しかもその思いつきもつまらないものばかり。唯一見るべきは、「補遺;ニュースピークの原理」が過去形で書かれていることにこめられた希望だけ。だが、考えて見れば、ピンチョンはすべて雑然とした羅列しかできない人ではある。それを複雑な世界の反映となる豊穣な猥雑さだと思ってみんなもてはやしてきた。だが実はそれは、読者側の深読みにすぎないのかもしれない。そしてその深読みが匂わせる陰謀論が意味ありげだった時代——つまり大きな世界構造がしっかりあって、裏の世界が意味をもった60-80年代——にはそれで通ったのに、1990年代以降はもっと露骨な陰謀論が表に出てきてしまい、ピンチョン的な匂わせるだけの陰謀論は無意味になった。それがかれの最近の作品に見られ

    オーウェル『1984年』序文からわかる、ピンチョンのつまらなさとアナクロ性 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    aceraceae
    aceraceae 2023/11/14
    トマス・ピンチョンはずっと気になる作家ではあるけれどいちども読んだことないんだよな。
  • 偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    最近さまざまなメディアにおける人民諸君の発言を見るにつけ、であるな、多くの者が堕落し、あるべき革命精神を忘れ、軽視し、捨て去っているように見えるのだよ。特にへっぽこリベラルえせ知識人どもよ。そうした反革命分子どもにも、更正の機会を与えてやろうではないか。偉大なる首領、我らが指導者スターリン閣下のありがたきインタビューを読んで、あらためて社会における己の卑しき役割を再認識したまえ。 H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー、1934年7月 pdfが嫌な人は、この下に全文貼り付けてあるのでこのまま読み進めたまえ。 というわけで、H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー。大恐慌真っ最中の1934年にソ連を訪れたイギリスの大知識人たるウェルズは、もう資主義は終わりだ、社会主義の時代がすぐにやってくると、当時の (そして今の) 軽薄なリベラル知識人ぶりを全開にしてスターリンにインタビュ

    偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ウィリアム・ギブスン:意匠だけのファッションショー小説 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary ウィリアム・ギブスンの1990年代三部作と、2000年代三部作は、いずれの小説としての体をなしていない。ストーリーはどれもほぼ同じで、まったく必然性のない探索を、まったく必然性のないアート系女子が、大金持ちに依頼され、必然性のないところをうろうろして、最後に目的のものが見つかっても何も起きない。途中の必然性のない場所や出会う人々のスタイル、ファッションといった意匠をやたらに並べ立てるだけのファッションショーでしかない。1980年代の大傑作のおかげで万人の期待が大きく、駄作でも深読みしてもらえていたが、かつては鋭敏だったファッションアイテムへのセンスや社会観もすでに停滞し、作家としての価値はすでにないも同然ではないか。 はじめに:ギブスンの意義 ウィリアム・ギブスンはそれなりに特別な作家だし、ある時点では文化的にとても重要な役割を持っていた。ぼく個人にとっ

    aceraceae
    aceraceae 2019/10/15
    立場はちょっと違うけど結果的に納得できる批評。視覚的な小説なんでアファンタジアで脳内イメージングができない自分には辛いものがあった。
  • 藤原『ナチスのキッチン』:せっかくの調査が強引なイデオロギーはめこみで台無し。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ナチスのキッチン 作者:藤原 辰史水声社Amazon ナチスというのは、とってもおもしろい存在だ。ビジュアルなこだわり、異様な合理性の追及の一方で、変なオカルトへの耽溺、あれやこれや。いろんな細かい部分をこだわって考えたりしているので、建築でも経済でも産業でもメディア利用でも、あらゆる面でナチスの活動は非常に興味深いものとなる。だから「ナチスのなんとか」というのはそれだけで大きな売りだし、ぼくのような読者に対しても、「おお、ナチスはあんな方面でもいろいろやっておったのか!」と思って各種著作やDVDを手に採らせる大きなセールスポイントになる。 その一方で、ナチスはとても便利な存在だ。あの異様な絶滅収容所の迫力はだれも文句が言えないし、何か文句なしの悪者が欲しければ、ナチスやヒトラーを持ち出せばいい。そしてナチスは、公共事業もやったし軍の装備近代化もしたしメディアも利用したし健康配慮もしたし禁

    藤原『ナチスのキッチン』:せっかくの調査が強引なイデオロギーはめこみで台無し。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    aceraceae
    aceraceae 2018/10/10
    あっち読んでて思い出したのでブクマ。これは同感。
  • 反知性主義3 Part 1: 内田編『日本の反知性主義』は編者のオレ様節が痛々しく浮いた、よじれた本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    しばらく間が空いた。で、反知性主義についての簡単なお勉強を経て、ぼくが手に取ったのは『日の反知性主義』だった。 このの題名は、明らかに『アメリカの反知性主義』を意識しているようだ。その一方で、この面子を見ると、ぼくが冒頭に挙げた『現代思想』の執筆者と重なるようであり、「反知性主義」を「バーカ」の意味で使う連中の集団のようにも思える。で、どうなのよ? それがぼくの興味だった。が、その前に…… 「反知性主義」をちがう意味で使ってはいけないの? まず、そもそも「反知性主義」を「バーカ」の意味で使ってはいかんのか? ぼくはそうは思っていない。ぜんぜん構わないと思う。ただ、その場合にはホフスタッターとかを引き合いに出してはいけない。まるで意味がちがうからだ。 なぜか? ホフスタッターのは、名著とはいえ決してだれでも知っているメジャーなではない。ぼくはたまたま、漠然とホフスタッター的な意味合い

    反知性主義3 Part 1: 内田編『日本の反知性主義』は編者のオレ様節が痛々しく浮いた、よじれた本。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    aceraceae
    aceraceae 2015/10/26
    彼は震災後に完全にあっち側の人になっちゃったからね。
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