要旨 2023年の出生数は73万人程度、合計特殊出生率は1.21程度まで低下の見込み。2024年1~3月の出生数(速報値)も前年同月から減っており、24年も減少する可能性が高い。通年の減少率が1~3月と同等であれば24年の出生数は70万人を割れる。 24年の出生数が足元ペースで減少する場合、24年出生数は社人研の将来推計人口(昨年公表)における「出生低位仮定」に近くなる。実質的に政府のメインシナリオとして扱われている「出生中位仮定」からは既に乖離が進んでしまっている。 目下、この将来推計人口を用いて作成される年金財政検証の議論が進んでいる。今夏にも公表される財政検証で主に示される数値は出生中位仮定をベースにしたものになる。結果を一段割り引いてみる必要が高まっているのではないか。 目次 2023年の合計特殊出生率は戦後最低水準まで低下へ 70万人割れに現実味、悲観シナリオに近づく可能性が高く