船に載せられ、運ばれるマッコウクジラ。この後沈められた=紀伊水道沖で2023年1月19日午後2時35分、本社ヘリから 2023年1月に大阪湾で死んだクジラの処理を巡り、大阪市が当初試算の倍以上の金額で海運業者と随意契約した問題で、この業者の元社員の男性が毎日新聞の単独取材に応じた。この元社員は処理を担当した大阪港湾局との交渉役を務めた。クジラを海に沈める作業前、港湾局から費用の見積もりを求められた一方、業務の内容や手順などを示す仕様書の提示は後回しにされたと証言した。 「(引き受けるには)リスクがあった。仕様書もないのに、見積もりの出しようがなかった」。元社員は、港湾局から作業を「丸投げ」された上、金額の提示も後出しだったと不満をあらわにした。 この元社員は約20年前に港湾局を退職した市OB。23年1月当時は市内の海運業者に勤務していた。 雄のマッコウクジラは23年1月9日に見つかり、市民
政府は4日、アニメや漫画といったコンテンツなどを海外に売り込む「クールジャパン戦略」を5年ぶりに改定した。コンテンツ産業の海外展開規模を2033年までに現在の4倍以上の20兆円に引き上げる野心的な目標を掲げた。 政府は「クールジャパン」の分野として、アニメや漫画、ゲームなどのコンテンツ産業、訪日外国人によるインバウンド消費、農林水産品・食品の輸出などを挙げ、19年にクールジャパン戦略を策定した。 新戦略は新型コロナウイルス禍を経て、日本のアニメ・漫画人気が一部の層から一般的な若者にも拡大▽すしや天ぷら以外にも日本食人気の裾野が拡大▽リピーターや長期滞在の訪日客増加――などの環境変化があったと分析。「クールジャパンを『リブート』(再起動)すべき時期が到来した」とうたった。 政府によると、日本発コンテンツの海外展開規模(22年時点)は4・7兆円で、半導体産業の輸出額に迫る規模。政府はコンテンツ
特殊詐欺で「全財産」を失った女性。「私と同じような被害に遭う人がいなくなることを願っている」と話す=東京都内で2月、安達恒太郎撮影 日本企業で海外営業を担当し、世界を飛び回る中国籍の女性会社員(28)にかかってきた1本の電話。見知らぬ相手は、女性が出張先で犯罪に巻き込まれたと告げた。どうせ詐欺の電話でしょ――。そう疑った女性は約2カ月後、こつこつためたお金をすべて失うことに。暴かれた個人情報と思わぬ脅迫、そして彼女を陥れた最大のワナとは。 昨年11月下旬の平日、午後4時ごろのことだった。女性の私有スマートフォンに見知らぬ発信者番号が通知された。相手は男の声で「大使館員」を名乗り、「あなたのキャッシュカードが(中国の)上海の税関で見つかった」と話した。流ちょうな中国語だった。
自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題の震源地となり、解散を決めた安倍派(清和政策研究会)の所属議員が水面下で動きを活発化させている。憲法改正をはじめとする政策の勉強を名目とした会合が相次いで開かれ、再結集に向けた動きと見る向きもある。安倍派で今、何が起きているのか。 築地会合 「安倍晋三元首相のご遺志である憲法改正を、我々の手で実現しなくてはならない」 5月9日夜、東京・築地にある水炊きが名物の料亭に、安倍派所属の17人が集まった。主催したのは衛藤征士郎元最高顧問。防衛庁長官や衆院副議長などを歴任した保守派の重鎮だ。 表向きは、自身が会長を務める憲法改正を目指す議員連盟の会合で、出席者は改憲に向けた連携強化を確認した。衛藤氏は取材に「意見交換したまでだ」と強調した。 だが、関係者によると、会合の案内が届いたのは安倍派議員のみ。安倍派は、解散を決めた2月1日の議員総会を最後に大規模な会合を
東京都の小池百合子知事は31日の定例記者会見で、都内の首長有志から3選に向けた出馬要請を受けたことについて「私から依頼はしていない。いつも(首長の)ご意見をうかがいながら連携して都政を進めてきた中で、有志の皆様から立候補の要請をいただいたと理解している」と述べた。 小池氏は28日に都内の52区市町村長から出馬要請を受けていた。 この日の記者会見で小池氏は「いろんなところで種をまいてきたことが今、花を開きつつある」と2期8年間を振り返る一方、3選出馬については「これから(都議会の)代表・一般質問が控えている。しっかり取り組みたい」と述べるにとどめ、引き続き明言を避けた。【山下俊輔】
評決後、トランプ氏は記者団に「私は非常に潔白な人間だ」と主張。「私は国のため、憲法のために闘っている。我が国は不正ばかりだ。バイデン政権が政敵を傷つけるためにやっている」などと持論を展開した。控訴するとみられるが、トランプ氏は有罪でも大統領選に出馬は可能だ。 起訴状などによると、トランプ氏は初当選した2016年大統領選直前の10月下旬、不倫スキャンダルをもみ消すため、当時の顧問弁護士マイケル・コーエン氏(57)を通じて元ポルノ女優ストーミー・ダニエルズ氏(45)に口止め料13万ドル(約2000万円)を支払った。その後、親族企業「トランプ・オーガニゼーション」を通じてコーエン氏に小切手で弁済した際、会社の帳簿などの業務記録に「弁護士費用」と偽って記載し、会計処理した。 主要な争点はトランプ氏側が業務記録への記載内容を偽ったのかや、トランプ氏が不正な会計処理にどこまで関与したかだった。 検察側
平野貞夫元参院議員は27日の衆院政治改革特別委員会に参考人として出席し、領収書不要の「内閣官房報償費」(官房機密費)について、自身が前尾繁三郎衆院議長(在任1973~76年)の秘書を務めていた頃、前尾氏の私邸に「盆暮れの対策」として一定額が届けられていたと明らかにした。 参考人質疑は政治資金規正法改正論議の一環として実施。平野氏は機密費の使途について問われると、政界入り前に衆院事務局職員として前尾衆院議長の秘書を務めたと説明し、「突然、官房長官が議長の私邸に一定の額、盆暮れの対策として機密費を(現金で)持ってきた」と語った。前尾氏は官房長官が帰った後、「こういうことするから民主主義が育たない」と語り「廊下に(現金を)ほっぽり出した」という。 対応に困った平野氏は現金を袋に入れて国会に持ち帰り、当時の上司に相談した。上司は「4~5年前からそんなことがあるらしい。やらないわけにはいかないから、
これも「法の抜け道」なのか――。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に絡み、菅家(かんけ)一郎元副復興相が安倍派の「裏金」を原資に、自身が当時代表を務めていた党支部に寄付し、税控除を受けた疑いが浮上した。さらに、支部から菅家氏や後援会に資金が支出されていたことも判明。政治家が政党支部を「迂回(うかい)」して寄付し、利益を得る行為は過去にも批判を浴びたが、法規制が及んでいない。 「国民の政治参加推進」のはずが 個人が政党や政党支部などに寄付した場合、所得税が控除される仕組みは「政党等寄付金特別控除」制度と呼ばれ、租税特別措置法に基づき1995年1月に導入された。財務省によると、政党などへの個人献金を促し、国民の政治参加を推し進める目的があったという。 国会で問題になってきたのが、控除を受けられる条件だ。租税特別措置法では「寄付をした者に特別の利益が及ぶ」場合には優遇措置を受けられないと規定
1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌さん(88)に対し、検察側は22日、静岡地裁で開かれたやり直しの裁判(再審)で、確定審に続いて再び死刑を求刑した。弁護側は「証拠は捏造(ねつぞう)、無罪は明白」と改めて訴え、結審した。国井恒志裁判長は判決期日を9月26日に指定した。 死刑囚に対する再審公判での死刑求刑は戦後5件目。過去の4件はいずれも無罪判決が言い渡されており、袴田さんの再審も無罪とされる公算が大きい。 検察側は論告で「多くの証拠が(袴田さんが)犯人だと指し示している。4人の将来が一瞬にして奪われ、犯行は冷酷、残忍だ」と死刑求刑の理由を述べた。 これに対し、心神喪失の状態にあるとされた袴田さんの代わりに出廷した姉秀子さん(91)は、審理の最後に「巌はいまだに妄想の世界にいる。どうか、巌を人間らしく過ごさせていただけます
英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズのロゴ=英ロンドン・ヒースロー空港で2018年2月23日、ロイター アジア系の乗客を嘲笑する動画をSNS(ネット交流サービス)に投稿したとして、英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が客室乗務員の女性2人を解雇した。英紙デーリー・メール(電子版)などが伝えた。 報道によると、1人は動画の中で、指で目尻を引っ張って目を細くし、アジア人の容姿を差別する「つり目」のポーズをとったうえ、機内で会った英語が苦手な中国人のアクセントをからかう発言をした。もう1人がその様子を撮影した。 動画は2022年9月、フライトの合間に2人がカリブ海で撮影した。今年3月に中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」に投稿されると、「人種差別だ」と問題視する声が上がった。動画は100万回以上視聴され、現在は削除されているという。 解雇の理由について、BA広報担当
参院本会議で、委員会での議論の報告を終えた自民党の長谷川岳氏=国会内で2024年4月12日、平田明浩撮影 地元自治体職員らに対する威圧的な言動が問題となっている自民党の長谷川岳参院議員(53)=北海道選挙区=が、中央省庁の職員らにも「クビにする」などと同様の言動をしていた疑いがあることが明らかになった。毎日新聞の取材に複数の官僚らが証言した。長谷川氏は議員活動を続ける意向を示しているが、官僚らは「すさまじいパワハラで尋常でない。議員を辞職すべきだ」と訴える。 現在3期目の長谷川氏は北海道大在学中に「YOSAKOIソーラン祭り」を企画したことで知られる。2010年に初当選し、総務政務官、副総務相などを歴任した。 問題が表沙汰となったのは、歌手の吉幾三氏が「航空機の中で態度が非常に横柄な国会議員がいた」と自身のユーチューブに昨年投稿し、今年3月に当該の議員が長谷川氏であると明らかにしたことだっ
日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は13日、次期衆院選の公約に少子化対策として、0歳児への選挙権付与を盛り込む考えを示した。府庁で報道陣の取材に答えた。実現には公職選挙法の改正が必要となる。 吉村氏は有識者らで作る「人口戦略会議」が4月に公表した人口減少に関する試算を受けて、「0歳から選挙権を持ってもらうべきだ」と発言。成人までは親が代理行使することを提案していた。 13日は、報道陣に「世界一の高齢社会である日本だから(0歳児への選挙権付与を)考えるべきだ」と発言、若い世代中心の政治に転換する必要性を改めて強調した。次期衆院選の公約に据えるべく党内で協議を進めているといい、今後、憲法改正の必要性についても議論する。 吉村氏の発言を巡っては、SNS(ネット交流サービス)などで「世代間の分断をあおる」との指摘も出ていた。吉村氏はこうした考えについて、「子や孫のための政治をやってほしい
韓国大手紙「朝鮮日報」は11日、ソウル警察当局が出入国管理法違反の疑いで20代の日本人の女性3人を現行犯逮捕したと報じた。「観光目的」と偽って韓国に入国し、実際には売春行為に関与していたという。警察は売春をあっせんした疑いで経営者ら4人も逮捕した。他にも売春に関与した日本人の女性が少なくとも10人はいるとみて、行方を追っている。 3人の日本人の女性はソウル市江南(カンナム)のホテル内で9日に現行犯逮捕された。女性らは現金で報酬を受け取っていたという。3人は今月初旬に入国した。日本人は、観光目的であれば韓国に90日間、査証(ビザ)なしで滞在できるが、警察はこれを悪用したとみている。 朝鮮日報によると、経営者らはインターネット上の広告で客を集めていたという。女性の写真を掲載し、体形や売春の料金、韓国語が話せるかどうかなども記していた。料金は155万ウォン(約17万円)~18万ウォンだった。【ソ
イスラエルのエルダン国連大使は10日、国連総会の壇上でパレスチナの加盟を支持する決議案に反対する意思を示すため、小型のシュレッダーを使って国連憲章を細断した。国連の基本文書である国連憲章は、「国際の平和と安全を維持する」など設立の理念や加盟国の権利などを定めている。 エルダン氏は決議案の投票に先駆けた演説で、各国の大使らに向かって「あなたたちは現代のナチズムに国連を開放した」「(イスラム組織)ハマスによる将来のテロ国家に特権を与えようとしている」などと批判した。最後に携帯用のシュレッダーを持ち出して国連憲章の表紙を切り刻むと、「恥を知れ」と吐き捨てるように言って壇上を後にした。 国連のハク副報道官は同日、加盟国大使による個別の言動にはコメントしないとしつつ、「今も昔も加盟国による芝居がかったプレゼンテーションはあった」と言及。国連憲章の冊子を手に取り、「国連憲章の理想は無傷だ。この組織が存
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