クニゲイ~大國大学藝術学部映画学科~ 髙野陽介 <隔週日曜更新>美術大学の映画学科に入学した、加々美大助。高校生の頃、とある映画賞を受賞した過去があり、前途洋々な青春に期待に膨らませていたが、才能に溢れる同級生・大澤門に衝撃を受けるのだが――……!?
こんにちは! こうの史代です。 10日前の朝、わたしは特急と新幹線に乗りました。 そして、やって来ましたよ。 さてここはどこでしょう!? はい。14時半頃のグランドシネマサンシャイン池袋12階です!映画「オッペンハイマー」の試写会がこれから始まるところです! 観終えました! この映画は、180分の大作です。J・ロバート・オッペンハイマーは、アメリカのロス・アラモス研究所の所長として原子爆弾を完成させた理論物理学者です。後に水爆の開発に反対して「赤狩り」に遭い、不遇の晩年を送りました。そんなオッペンハイマーの、クズだったり立派だったりの人柄と、栄光だったり苦難だったりの人生を追う、真っ向勝負の映画でした。 我々は、この大量殺人兵器を「狂った天才科学者たち」のせい、と片付けて安心していたのではないか? そうやって我々凡人は無責任に、無自覚に罪を犯してしまうのではないか?そして、たとえ取り返しが
作品概要 製作:日映科学映画製作所 企画:東京電力 1977年 カラー 27分 1966年12月から建設が開始された東京電力の原子力発電所。 原子力発電の仕組みや建設工程を詳細に記録した劇場上映用映画。 この時代に映画館でさかんに上映されていたことが伺える。 この作品は、埼玉文化振興基金助成金によりデジタル化、 配信しています。 補足 この作品は福島第一原子力発電所の建設記録である。その調査編である「黎明」とともに前年の11月に公開した。2011年3月11日、東日本大震災に伴って発災した福島第一発電所の事故で話題となった作品。大震災2日目からTwitterを介して拡散、3日目にはNHKを始め民放各社が報道およびワイドショーで取り上げ、2か月間で30数回使用された。一時期はアクセス急増に伴い、関連作品を別サーバーに移す程のことになった。 海外にも飛び火し、BBCはじめ5か国8番組で使
ほとんどの著名人が沈黙する中、ホロコーストを描いた映画『関心領域』のジョナサン・グレイザー監督がガザに言及した
「清掃の仕事をみていると、修行をする僧侶のように見える。他人のために生き、それをひたすら繰り返す。その姿はとても尊く美しい。 その先に悟りのようなものがあるのかわからない。 それを期待すらせずにただ黙々と日々を生きる。 何か自分たちには足りない大切なものがそこにあるような気がする」 高崎のその最初の話にヴェンダースは深く頷いた。 ──平山は仕方なくこの生活をしているのではなく、自ら選びとったのだ。私たちがそのことに気づいた瞬間だった。 映画『PERFECT DAYS』 公式パンフレットより ※本記事は以下に、映画『PERFECT DAYS』(ヴィム・ヴェンダース,2023年)についてのネタバレがあります。感想は否定的意見を大いに含む個人の見解です。あらかじめご了承ください。 ✱ ✱ ✱ 監督にヴィム・ヴェンダースを、主演に役所広司(以下敬称略)を迎えた日独合作の映画『PERFECT D
ナポレオンのタイトルまとめ 『ナポレオン』という作品が多すぎる上に改題も多いので、今後の私の人生では下記のように表現します。 『ナポレオン -獅子の時代-』『ナポレオン -覇道進撃-』→長谷川ナポレオン 『エロイカ』『栄光のナポレオン-エロイカ』→池田ナポレオン 2023年の映画『ナポレオン』→リドスコナポレオン 今回はリドスコナポレオンの補足説明です。 黒人の将軍は三銃士の父親 「もしかして」と思ってX検索しましたが、いるわいるわ。黒人の将軍がポリコレ的配慮だと思い込んでいる人たちが↓ 黒人の将軍はハイチ出身のデュマ将軍です。エジプト遠征に参加していたので、映画に出さないほうが不自然です。*1 日本ではデュマ将軍の息子が書いた小説『三銃士』や『巌窟王(モンテ・クリスト伯)』が有名でしょう。ちなみに画像のようなツイートへの批判で「デュマ将軍を知らないなんて、これだから日本人は…」みたいのも
現在公開中の映画『ナポレオン』はフランスで「これは違う!」と大批判を浴びていて、リドリー・スコット監督が辛辣な言葉で反撃しているのが話題になっています。私自身は 「娯楽作品は事実を捏造しても構わない」 という危ない考え方の持ち主ですが、この映画『ナポレオン』に批判が発生する理由もちょっと分かります。というわけで映画『ナポレオン』の批判内容を解説します。 戦争シーン 戦争シーンが第一次世界大戦っぽい 歩兵の動きは第一次世界大戦っぽく、乱戦の描き方は逆に中世っぽく、随分とちぐはぐな戦争シーンらしいです。私はあまり気になりませんでしたが。フランスでは 「1815年と1915年を間違えているのでは?」 という皮肉な批判をされています。映画の作り手たちが戦争シーンにこだわった割には、ナポレオン戦争の再現がおざなりになっているのが批判要素となっています。 機動を描いていない 大陸軍(ナポレオンの軍隊)
映画『ゴールデンカムイ』公式アカウント @kamuy_movie ⠀ ⠀最┃新┃予┃告┃映┃像┃到┃着┃ ⠀━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ ◣ ついに主題歌情報も解禁ッ!!!!!!!!! ◢ ▌▌⠀#ACIDMAN「輝けるもの」⠀▌▌ 本作のために書き下ろされたオリジナル楽曲!! 🎬2024年1月19日(金) 映画『#ゴールデンカムイ』 ─── 命を懸けた争奪戦が始まる。 pic.twitter.com/uNLEleJFS2 2023-11-29 05:00:00 ヒラギノ游ゴ/ヒラノ遊 @VolumeToneTone 文筆業。書評/音楽批評/コンプライアンス監修など。音楽・ジェンダー論・お笑い・映画・コミックなどポップカルチャー全般について執筆。おそらく1年くらいかけて段階的に名義を「ヒラノ遊」へ移行予定です。連絡先:apple.gorilla.trumpet.pants@gmail
『あぶない刑事』シリーズ最新作製作発表会見が11月1日、都内で行われ、映画『帰ってきたあぶない刑事』が2024年5月24日から公開することが発表された。舘ひろし(73)演じる“タカ”と柴田恭兵(72)演じる“ユージ”のコンビが2016年公開の映画『さらば あぶない刑事』以来8年ぶりにヨコハマに帰ってくる。 『あぶない刑事』シリーズ最新作製作発表会見に出席した(左から)浅野温子、舘ひろし、柴田恭兵、仲村トオル (C)ORICON NewS inc. 写真ページを見る 【写真】その他の写真を見る 1986年のテレビドラマ放映開始から37年。当時社会現象を巻き起こし、ドラマ&映画史上において「伝説」を作った『あぶない刑事』シリーズ。刑事のバディものの原点でもある同作は、テレビドラマの最高視聴率は26.4%、映画製作は同キャスト・同シリーズの刑事モノ映画の歴史のなかで、世界最多を更新する8本目とな
The Johnsons are an attractive, well-to-do, upper-middle class family. Sidney, husband and father, is a famous poet, known and adored for his kindness and sensitivity. Joan, wife and mother, is a dutiful housewife, an obsessive homemaker and the life of every party. Their son, Isaiah, is a charismatic young man who has just gotten married to an equally appealing young woman. In fact, there is only
9月1日、ユーロスペースで『福田村事件』を観た。 www.youtube.com 関東大震災直後の千葉で香川からの行商15名のうち子供と妊婦を含む9名が、地元の自警団に朝鮮人と間違えられて殺害された実在の事件を基にした劇映画。 事件が起きたのは1923年(大正12年)9月6日、つまり100年前の今日だ。 監督は著名なドキュメンタリー監督の森達也氏。失礼ながらドキュメンタリー作家の初劇映画ということで正直期待していなかったが、観てみると意外にもしっかりした映画で驚いてしまった。 前半は狭い村でのドロドロとした愛憎が組み立てられていき、その情念が後半での虐殺事件に流れ込んでいく。冒頭から鍬や包丁など、日常の中に暴力の予感を忍ばせるのも上手いし、豆腐、白磁の指輪、朝鮮飴といった純白モチーフの使い方も手慣れている。 実はこの作品、森達也監督と同時期にたまたま劇映画畑の脚本スタッフ3名も「福田村事件
ちょうど100年前の明日(1923.9.6)、現在の千葉県野田市で発生した虐殺事件をベースにした、異色の劇映画『福田村事件』(森達也監督)。“特別支援者”6人の一角に敢えて顕名で連なった者の責任として、全国公開を機にコメントを記しておきたい。 観終えても続くホラー とにかく、これは今まで僕が観た中で最恐のホラー映画だ。他のホラーは、ゾンビだったり特異な殺人鬼だったりと恐怖の対象が《他者》なのに対し、史実に基づくこの作品では恐怖の対象は《我々》自身。後半これでもかというほど続く虐殺シーンには、ユダヤ人虐殺を指示したヒトラーに当たる明確な存在がいない。ただただ[先入観]と[社会不安]と[集団心理]が、素朴な村の人々を虐殺者に“キャラ変”させてゆく。 しかもこれは、関東大震災直後の被災地あちこちで「震災死者数の1~数%」(by 内閣府中央防災会議)=つまり千〜数千人が犠牲になった同時多発大虐殺の
©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. ©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. 音楽ディレクター / 評論家の柴崎祐二が、映画の中のポップミュージックを読み解く連載「その選曲が、映画をつくる」。第4回は、マーゴット・ロビー主演『バービー』を取り上げる。 バービー人形をモチーフに、ジェンダーをはじめ種々の社会的なテーマに取り組んだ本作は、Netflixの諸作品とも通じるような、いかにも今日的なエンターテイメント作品といえる。マーク・ロンソンのプロデュースのもと、今を代表する豪華なミュージシャンが集結したサウンドトラックも大きな話題だ。 柴崎は、本作の社会問題への眼差しや音楽の優れた使用に一定の評価を示しつつも、それらが「目配せ」的な「記号」となっていることに疑義を呈する。それは、メタ的な手法が
告発をする人は前提的に「被害者」です。止むに止まれず告発をする。すでに精神的にダメージを負っているところに加害者やその周辺からの圧力があり、SNS等で二次加害にも遭う。だからわれわれは被害者にそれ以上を望むべきではない。あとは周囲の問題、つまりわれわれがどうするかだけが問われる。 われわれが告発に沈黙している時、その文化は被害者を黙殺した上に成り立っている。悪がなされているのに、その悪を糾弾もせず、見過ごしたまま、被害者の尊厳を踏みにじりながら「映画とは」「批評とは」と呑気に語っている。その浅ましさや醜さへの自覚がありますか?その言説に意味はありますか? 告発された映画作家と批評家として付き合い併走してきた人もいる。その人が作家を擁護すべき根拠があるならそれで構わない。でもそうでないならば「間違いだった」と表明すべきです。それだけで救われる被害者が沢山いる。あなたの沈黙が被害者をどんな孤独
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