長い間、読み通せないでいた本でした。渡辺京二氏の『逝きし世の面影』です。私はこの本が最初に出た1998年の葦書房版を買って持っていたのですが、何度読もうとしても第一章から先に進むことができず、ついには古本屋さんに売ってしまっていました。今回、平凡社ライブラリー版を書店で偶然見かけて再度購入したところ、今度はなぜかするすると読み進めることができ、無事に読了しました。 逝きし世の面影 たぶん初版を買ったときの自分の年齢では、その内容を理解するのは難しかったのだろうと思います。それにこの本の記述は、基本的に幕末から明治初期に日本を訪れた西洋人の記録をもとに、それらをテーマ別に分け、次から次へと紹介するという形式を取っています。著者である渡辺京二氏の分析や評価ももちろん盛り込まれているのですが、それが若い頃の自分には読み取りにくかったのかな、だから結果的に退屈な印象につながって読み通せなかったのか