ぼくは詩が読めない。 厳密にいえば「読んでも読んでも読んだ気がしない」ということで、また言葉を変えるならば「詩の読みかたがわからない」。詩に関するおもうところはさまざまないいかたができるのだけれども、ひとまずぼくにとって「詩」という言語表現は「むずかしいもの」であることに変わりなく、じっさいにおなじようなことを感じているひとはすくなくないんじゃないか。 「詩のむずかしさ」は、おそらく「詩は意味のみを指向する言語表現じゃない」ということに由来する。 言語とは個体間で意味を伝達しあうためのツールであり、その機能に特化した技術が一般に「文章力」だといわれることが多く、特にライターという仕事をしていると時として書き手をおしつぶさんとするほどの圧力が「意味」によりかけられることもある。「意味」とはなにか、という問題ははてしなくおおきいけれど、現状ぼくがたしかにいえるのは「伝える」と「表現する」はまっ