土壇場での機転、前もって危険を回避する知恵、交渉で相手を丸め込む技術はビジネスの世界で重要なスキルといえる。しかし、一瞬の判断ミスや煮え切らない態度が命取りにつながる“裏社会”では、それらのスキルは表社会よりもはるかに重要になるのだ。 ここでは、作家・編集者の草下シンヤ氏が “裏社会”の住人に交渉テクニックを取材した著書『裏のハローワーク 交渉・実践編』(彩図社)の一部を抜粋。彼らの手口を紹介する。(全2回の2回目/前編を読む) ◆◆◆ 「無防備にさせてから、巻き上げればいい」 仕込みというのは大げさであればいいというものでもない。 ほんの些細なものだったとしても、相手が無防備な状況下にあれば、絶大な威力を発揮するのだ。 「本番バレたら100万円」 こんな張り紙を風俗店で見たことがある読者もいるだろう。 ほとんどの店舗ではただの「注意書き」であるが、中には悪質な店も存在する。 風俗美人局と