アサリなどを毒化させる「貝毒」の被害が、昨年に続き今年も大阪湾で広がっている。「二枚貝を採らないように」という大阪府の注意喚起を受け、府内のトリガイ漁は自主規制に追い込まれ、シーズン真っ盛りの潮干狩り場でも客足の鈍化が懸念される。原因となる毒素を持ったプランクトンの発生メカニズムは未解明で、農林水産省が調査に乗り出したものの、打撃は避けられそうにない。 ■大打撃 「せっかく今年は豊漁だったのに、採れなくなるなんて…。大打撃です」 トリガイ漁を営む泉佐野漁業協同組合(同府泉佐野市)の大伍健一理事(40)は頭を抱えた。今月上旬、大阪湾で採れたアサリやトリガイなどの二枚貝から相次いでまひ性貝毒が検出されたからだ。中には毒が国の規制値の20倍近くに上るケースもあった。 これを受け、府内のアカガイやトリガイ漁は軒並み自主規制に追い込まれた。漁協によると、貝毒のため収入が半分程度に落ち込む漁師