「市川実和子ってこんなに魅力的な俳優だったんだ」と、先月に公開された映画『青葉家のテーブル』の劇場で、驚くような思いでスクリーンを見つめていた。 『青葉家のテーブル』は、もともとは映画ではなく『北欧、暮らしの道具店』というインテリアメーカーのサイトで配信されたWEBドラマである。 西田尚美が演じる母・青葉春子と、学校に不適応な中学生の息子リクと、シェアハウスで同居する血の繋がらない母の友人たちが送る静かな、しかし確かなメッセージをもった日々を描く十数分の連作短編ドラマは、家具メーカーのWEB広告の一環として作られたにも関わらず、優れた内容に各話100万再生を超える反響を呼び、映画として特別編が作られるようになった。 市川実和子は、90年代、どのような存在だったのか 市川実和子はWEBドラマ編には出演しておらず、その映画版にキャスティングされたゲストということになる。彼女が演じるのは営業する