作者:丸山 俊一 ,NHK「欲望の資本主義」制作班 出版社:東洋経済新報社 発売日:2020-02-21 「貨幣とは何か?」「その価値の根拠はどこにあるのか?」 これは誰でも一度は考えてみたことがあり、古代ギリシアの哲人アリストテレス以来、多くの哲学者や経済学者によって考察がなされてきた、シンプルでありながら実は極めて難解な問いである。マルクスの言葉を借りれば、貨幣とは「形而上学的な不思議さに満ち満ちた存在」なのである。 本書は、日本を代表する経済学者で、稀代の教養人である岩井克人が、アリストテレスからアダム・スミス、カント、モンテスキュー、ゲーテ、シュンペーター、ケインズ、ハイエク、フリードマンに至るまで検証し、30年以上にわたってこの問題に挑み続けてきた全記録である。 岩井は、正統派の近代経済学からスタートして、東京大学、イエール大学、プリンストン大学などの超一流大学で教鞭をとる傍ら、