医師の卵たちが6年間を過ごす医学部。倍率も高ければ、学費も高い。狭き門をくぐり抜けた一部の人間のみが知る謎に包まれた世界だ。 本記事では、日本の社会問題が凝縮された「風俗街の病院」での経験が話題になった女医が、自らの過去を振り返りながら、知られざる医学部の裏側を明かす。 持つ者と持たざる者。前者に占められた医療界の異様な実態が浮かび上がってくる。 医学部に「マグル」はほとんどいない 私は小中高と地方の公立校を出て、都内の医学部に入学した。 「東大生の親の6割が年収950万円以上」というデータが話題になったが、地方出身者からすると、やはり医学部も華々しい世界だった。 まず医学部では「親が医者」なのは当たり前で、教授や講師と話す時も、世間話は最初に「親御さんは医者?」が挨拶代わりになる。 これは就職先の病院を決める面接でも聞かれることだ。それを採用に影響させることは法的にグレーだと思うが、そも