人口の減少は好ましくない 一国の運命はその国の人口で決まるわけではない。仮に人口の多寡が歴史を決める主要な要因なら、中国は15世紀にヨーロッパを征服していただろう。あるいは英国が18世紀にインドを征服することもなかったはずだ。 小国が大事業をやってのけることもある。18世紀半ばのスコットランドは、人口130万人ほどの国だったが、この国が啓蒙主義、産業革命、大英帝国の拡張に果たした貢献は特大のものだった。一方、国が大きくても存在感がほとんどないこともある。インドネシアは世界で4番目に人口の多い国だが、米国人の大半は、この国がどんな国なのか、ほとんど知りもしない。 国の人口が増えることがつねに喜ばしいわけでもない。人口が急増したとき、それに応じて生産性も向上しなければ餓死者が出てきてしまうからだ。 しかし、人口の減少は、ほとんどの場合、喜ばしくない。英国と米国はそれぞれ19世紀と20世紀に世界