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【平家物語12 第1巻 額打論〈がくうちろん〉】〜The Tale of the Heike🪷 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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【平家物語12 第1巻 額打論〈がくうちろん〉】〜The Tale of the Heike🪷 - 源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
永万《えいまん》元年の春頃から、 病みつき勝ちだった天皇の容態が急変し、 六月には、 大蔵大輔伊岐兼... 永万《えいまん》元年の春頃から、 病みつき勝ちだった天皇の容態が急変し、 六月には、 大蔵大輔伊岐兼盛《おおくらのたいふいきのかねもり》の娘に生ませた 第一皇子に位を譲られた。 間もなく七月、二十三歳という若さで世を去った。 時に新天皇は二歳という幼な児であった。 天皇の葬儀の夜、一寸《ちょっと》した争い事が起った。 元々、天皇崩御の儀式として、奈良、京都の僧侶がお供をして、 墓所の廻りに額《がく》を打つ習慣があった。 それも順序が決っていて、 第一が、奈良東大寺《ならとうだいじ》、次が興福寺《こうふくじ》、 延暦寺《えんりゃくじ》という順で、代々守られてきたのである。 ところがこの日、何を思ったか、 延暦寺の坊主が東大寺の次に延暦寺の額を打ちつけたのである。 すると、 おさまらないのは興福寺である。あれこれと文句をいっているところへ、 興福寺では、 荒くれ者で聞える坊主が二人、鎧《よろい